協力のお願い

地元の会社に応援をお願いする:個人の支援とは別の頼み方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

個人の応援とは別に、地元の会社やお店にも力を貸してもらいたい。そんなときの声のかけ方と、お願いの順番、案内資料の作り方をまとめました。

地元の会社やお店に応援をお願いするときは、「いくら出してほしい」から話さず、「この挑戦がまちのどこをどう良くするか」から話すとうまくいきます。会社やお店は、個人の支援者とは違う目で話を聞きます。自分の店のお客さんや従業員、取引先に関わる話かどうかを、まず考えるからです。この記事では、お願いの前に整えること、声をかける順番、一枚の案内資料の作り方、お礼の形を順に見ていきます。

個人の応援と、会社やお店の応援は何が違うか

個人の支援者は、起案者の人柄や思いに共感して「この人を応援したい」と動くことが多いものです。一方、会社やお店は、応援することで自分たちの活動とどうつながるかも一緒に考えます。たとえば、地域のお客さんに喜ばれるか、従業員が誇りに思えるか、店の名前が載ることで地域に知ってもらえるか、といった見方です。

この違いを知っておくと、お願いの仕方が変わります。個人には気持ちで語り、会社やお店には気持ちに加えて「一緒にやるとどんな良いことがあるか」を具体的に見せる。この二本立てが基本です。

相手まず伝えること見せるもの
個人の支援者なぜこの挑戦をするのか、という思いページの物語、動画、リターン
地元の会社まちや地域にどんな良い変化が生まれるか一枚の案内資料、完成後の使い道
地元のお店お客さんや常連さんにどう喜ばれるか店頭に置けるチラシ、お名前の載せ方

お願いに行く前に、手元で整えておくこと

相手の時間をいただく場面では、話がすぐ伝わる状態にしておくことが礼儀であり、いちばんの近道です。次の四つを、紙一枚に書き出してから動き出しましょう。

  • 挑戦の内容を一文で言えること。「〇〇のまちに、△△をつくります」の形が書きやすい型です。
  • なぜ今なのか、という理由を一つ持っていること。
  • 公開する予定の日と、終わる予定の日。
  • 協力してほしいことを一つに絞っていること。お金なのか、お店での告知なのか、場所の提供なのか。

四つ目が特に大切です。「何でもいいので助けてください」という頼み方は、相手が何をすればよいか分からず、断りやすくなってしまいます。反対に「店頭にチラシを置いていただけませんか」のように小さく具体的な頼みは、受けやすいのです。

お願いの中身は、段階をつけて考えると整理しやすくなります。

  1. 店先や社内でチラシを置く、掲示する(いちばん受けてもらいやすい)
  2. 社員やお客さんへの声かけ、社内報やSNSでの紹介
  3. 場所や物の貸し出し、完成後の催しでの協力
  4. リターンに加わる品やサービスの提供
  5. 金額での応援

上から順に、相手の負担が軽く、関係が深まるにつれて下へ進みます。最初から五番目だけをお願いするより、一番目から始めたほうが、結果として長いお付き合いにつながります。

声をかける順番:近い会社やお店から

お願いの順番は、起案者との距離が近い順にします。すでに顔見知りで、挑戦の背景を知っている相手から話すと、気持ちが伝わりやすく、途中で出た疑問にも答えてもらえます。

  1. 日ごろからお世話になっているお店や会社
  2. 活動の場所の近くにある会社やお店
  3. 団体のメンバーや家族が勤めている会社
  4. 地域の商店会や団体の窓口
  5. 面識はないが、挑戦の内容と近い活動をしている会社

五番目の相手には、突然の依頼ではなく、まず手紙やメールで挑戦のあらましを届け、返事が来てから会いに行く流れが丁寧です。紹介してくれる人がいる場合は、その人に一言添えてもらうと、話を聞いてもらいやすくなります。

また、近い順に声をかけた結果を、小さな表で控えておくと便利です。いつ声をかけたか、誰が話したか、返事はどうだったか、次にいつ連絡するか。公開が近づくほど忙しくなるので、手帳やスマホの一覧に残しておくと、抜けや重なりを防げます。

一枚の案内資料に入れる内容

会社やお店に渡す資料は、長いものより一枚が向いています。担当の方が上司や同僚に見せるとき、一枚なら話がすぐ回るからです。次の項目を、紙の表と裏か、片面一枚におさめましょう。

項目書くことひとこと例
挑戦の一文何を、どこで、誰のためにするか地域の子どもから大人までが集える場をつくります
なぜ今か始める理由と時期節目の年に、これまでの活動を次につなぐためです
公開の予定公開日と終了日、ページの場所QRコードで、ページに移動できます
お願いしたいこと一つに絞って具体的に店頭にチラシを置いていただけると助かります
お礼の形応援してくれた会社・お店への感謝の見せ方お名前の掲載、報告会へのご招待
連絡先窓口になる一人の名前と連絡手段お問い合わせは担当者までお気軽にどうぞ

「お礼の形」は、実際に実現できることだけを書いてください。お名前を載せる場合は、載せてよいかをあらかじめ聞いておくことも大切です。会社名やお店の名前は、そのまま信頼の看板でもあるので、掲載の位置や書き方を、ご本人に確かめてから決めると安心して応援してもらえます。

会って話すときの流れと、よく出る質問

訪問の時間は、短く、相手のペースで進めます。最初の挨拶、挑戦の一文、案内資料を見ながらの説明、お願いを一つ、質問の時間、お礼。この流れなら、十五分ほどでおさまります。

会って話すと、次のような質問が出やすくなります。あらかじめ答えを用意しておくと落ち着いて話せます。

  • 「集まらなかったらどうなるの?」:実施の形(All-inかAll-or-Nothingか)と、その場合に何をするかを伝えます。
  • 「お金はどう使うの?」:資金の使い道を、項目ごとに見せられるようにしておきます。
  • 「うちは何をすればいいの?」:先に絞っておいた一つのお願いを、もう一度伝えます。
  • 「どんな人たちがやっているの?」:団体の活動の歴史や、これまでの取り組みを写真つきで見せられると安心されます。

その場で返事をもらえなくても構いません。「よければ、来週あらためてご連絡します」と伝え、資料を置いて帰りましょう。考える時間があるほうが、前向きな返事がもらえることも多いものです。

応援してもらったあとのお礼と報告

会社やお店への最高のお礼は、応援が形になった姿を見てもらうことです。公開中の活動報告や、完成後のお披露目の場に招くなど、結果を知らせることが長いお付き合いにつながります。

  • 公開中:応援のお礼を伝え、進み具合を短い便りで知らせる。
  • 終了直後:結果と、これからの予定を書いたお礼状を渡す。
  • 完成後:お披露目の場に招待する。店頭や社内に飾れる写真を渡す。
  • その後:季節ごとの近況を、短い便りで伝える。

伊豆山の野外ステージづくりでは、2023年のクラウドファンディングで173人から1,000万円以上の応援が集まりました。完成したステージは、地域の子どもから大人までが出演する舞台の場になっています。支援のあとにもつながりが続くことが、地域での挑戦の大きな力になります。

どこから手をつけるか迷ったら

会社やお店への声かけは、ページづくりと並行して進める作業です。何から始めればいいか、どのお店にどの順番で話すかなど、迷いが出たときは、一人で抱えずに相談してみてください。クラウドファンディング支援では、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走まで、挑戦に合わせて一緒に考えます。ご相談はお問い合わせフォームか、LINEからどうぞ。公開したい日の90日前から準備を始めると、余裕をもって声かけができます。

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よくある質問

会社やお店には、最初にいくらお願いすればよいですか?

最初から金額の話をする必要はありません。まずは、チラシを置いてもらう、紹介してもらうなど、負担の軽いお願いから始めると受けてもらいやすくなります。金額での応援は、関係が深まってから相談するのがおすすめです。

面識のない会社に連絡してもよいでしょうか?

挑戦の内容と近い活動をしている会社であれば、手紙やメールで丁寧にあらましを届けるところから始められます。紹介してくれる人がいれば、その方に一言添えてもらうと話が進みやすくなります。

案内資料は何枚くらい用意すればよいですか?

一枚が基本です。担当の方が社内で見せやすく、話がすぐ回ります。詳しい内容は、ページのQRコードから読んでもらえるようにしておきましょう。