目標設定
目標金額を「何人の応援」に置き換える:金額帯ごとの人数で見通しを立てる
目標金額の大きさに圧倒されたら、「何人に応援してもらえるか」に言い換えてみましょう。数字が人の顔に変わると、準備の見通しが立ちます。
目標金額は、「金額帯ごとの人数」に分けて考えると、準備の見通しが立ちます。たとえば目標が大きいとき、それを一人ひとりの応援の積み重ねとして眺めると、「何人に声をかければよいか」「どの金額帯のリターンが大切か」が見えてきます。数字を人の顔に置き換えることが、この考え方の出発点です。
この記事では、目標金額を人数に置き換える手順を、表と計算の型で紹介します。計算結果はあくまで見通しをつくるための目安です。結果にとらわれず、準備の優先順位を決める道具として使ってください。
なぜ人数に置き換えるのか
金額だけを見ていると、気持ちが先に重くなりがちです。人数に置き換えるメリットは三つあります。
- やることが具体的になる:「あと何人に知らせるか」が、日々の行動に変わります。
- リターンの数を決められる:金額帯ごとの人数がわかると、用意するリターンの数も見通せます。
- 気持ちが楽になる:大きな金額も、一人ひとりの応援の合計と考えれば、前向きに向き合えます。
伊豆山の野外ステージづくりは、CAMPFIREで2023年10月13日から12月31日まで挑戦し、173人から1,000万円以上の支援を受けました。目標300万円の334%です。大きな金額も、一人ひとりの応援の合計であることがわかります。
基本の計算:三つの金額帯に分ける
まず、リターンの金額帯を三つに分けます。入口になる金額帯、中心になる金額帯、特別な金額帯です。それぞれに、何人の応援を見込むかを書き出します。
| 金額帯 | 役割 | 見込む人数 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 入口 | 気軽に応援できる金額。初めて知った人が選ぶ | 多め | 人数 × 金額 |
| 中心 | リターンを楽しみに選ぶ金額。いちばん選ばれてほしい | 中くらい | 人数 × 金額 |
| 特別 | 深い応援や、特別な体験を選ぶ金額 | 少なめ | 人数 × 金額 |
三つの合計が、目標金額に届くかを確かめます。届かない場合は、人数を増やすか、金額帯の設計を見直します。逆に、届きそうでも、特別の金額帯に頼りすぎていないかを見ておきましょう。
仮の数字で計算してみる
考え方を確かめるために、仮の数字で計算してみます。目標を三十万円とした場合の例です。
| 金額帯 | 金額 | 見込む人数 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 入口 | 三千円 | 三十人 | 九万円 |
| 中心 | 一万円 | 十五人 | 十五万円 |
| 特別 | 三万円 | 二人 | 六万円 |
| 合計 | 四十七人 | 三十万円 |
これはあくまで計算の練習のための仮の数字です。実際の人数や金額は、自分たちの企画と、応援してくれそうな人の顔ぶれから決めます。大切なのは、「四十七人に応援してもらう」と置き換えたとき、自分の周りの人の顔がどれだけ思い浮かぶかです。
声をかける人数は、応援の数より多く
実際に応援してくれる人より、声をかける人のほうが多くなるのが自然です。知らせても、都合が合わない人、見逃してしまう人がいるからです。見込み人数に対して、声をかける人数は余裕を持たせて考えましょう。
声かけ先を整理する四つの輪
- 家族・近しい友人:いちばん早く応援してくれる輪。
- 仲間・同僚・活動を知る人:挑戦の背景を理解している輪。
- 地域や趣味でつながる人:直接の知り合いではなくても、共感してくれる輪。
- まだ出会っていない人:発信や紹介を通じて、公開中に出会う輪。
四つの輪のうち、公開前に確実に声をかけられるのは、一つ目と二つ目です。三つ目と四つ目は、公開中の発信や、周りの人からの紹介で広がります。見込みの人数は、一つ目と二つ目の輪の人数から、現実的に見積もるのが安心です。
見込みが足りないときの三つの見直し
計算してみて、見込みの合計が目標に届かないことがあります。そのときは、焦って目標を変える前に、次の三つを順番に試します。
- 声をかける輪を広げる:三つ目の輪(地域や趣味でつながる人)に、どんな人がいるかを書き出します。思い出していなかった団体やお店が見つかることがあります。
- 金額帯の設計を見直す:入口の金額が高すぎて選びにくくないか、中心のリターンに魅力が足りないことはないかを確かめます。
- 目標の中身を見直す:必要な費用の項目を、もう一度積み上げます。最初に実現する範囲を絞り、残りは次の機会に回す方法もあります。
どの見直しでも、決めるのは起案者本人(団体)です。相談しながら、納得できる形を見つけてください。
連絡先の名簿で人数を数える
見込みの人数を、思いつきではなく根拠のある数にするために、公開前に名簿をつくります。表計算のシートに、名前、関係、連絡手段、声をかける予定日の四つの列を用意します。四つの輪ごとに色を分けると、どの輪が少ないかが一目でわかります。
名簿は、最初から完成させる必要はありません。思い出した順に書き足していくうちに、「この人にも伝えたい」という顔が増えていきます。名簿づくりそのものが、挑戦を応援してくれる人の存在を確かめる、前向きな時間になります。個人の連絡先を扱うので、名簿は自分だけが見られる場所に保管しましょう。
人数から準備の中身を決める
人数に置き換えると、準備の優先順位が決まります。次の表のように、金額帯ごとに準備することを整理しましょう。
| 金額帯 | 準備すること |
|---|---|
| 入口 | お礼のメッセージ、短い報告の定期的な共有、気軽に選べるリターンの説明 |
| 中心 | リターンの試作、届ける時期と数の確認、発送や受け渡しの段取り |
| 特別 | 体験型の日程、人数の上限、お迎えの段取り |
入口の金額帯は人数が多くなるので、お礼や報告を無理なく続けられる仕組みを考えておきます。特別の金額帯は、一人ひとりへの対応に手間がかかるため、数に上限を決めて、無理のない範囲で用意しましょう。
計算した人数は、公開前の最後の見直しでもう一度確かめます。名簿の人数、四つの輪の内訳、金額帯ごとの見込みを並べて見ると、準備の抜けが見つかります。たとえば、中心の金額帯を選んでくれそうな人が名簿に少ないなら、その輪に向けた説明を厚くします。人数に置き換える作業は、一度きりの計算ではなく、準備の最中に何度も見直す、地図のようなものです。見直すたびに数字が現実に近づき、自信を持って公開日を迎えられます。
公開中に人数で進み具合を見る
公開後は、金額だけでなく、支援してくれた人数と金額帯の内訳を確かめます。見込みと比べて、どの金額帯が足りているか、足りていないかがわかります。
- 入口の金額帯が少ない:知ってもらう機会が足りないので、発信を増やす。
- 中心の金額帯が少ない:リターンの魅力が伝わっていないかもしれないので、説明を見直す。
- 特別の金額帯が多い:対応の手間を確かめ、お迎えの準備を進める。
数字に一喜一憂せず、足りないところに手を打つ手がかりとして使いましょう。
目標の置き換えから相談できます
目標金額の決め方や、リターンの金額帯の考え方に迷ったときは、プロジェクト設計とリターン設計の手伝いが役に立ちます。ページの公開と支援金の受け取りは起案者本人(団体)の名義で、起案者が自分の言葉で語れるよう一緒につくる進め方です。オンラインで全国から相談できます。
よくある質問
仮の計算が目標に届かなかったら、どうすればよいですか?
人数を増やす、金額帯を見直す、期間を見直すなどの方法があります。まず声をかけられる人の数を確かめるところから始めてください。
金額帯は三つでなければいけませんか?
三つは考えやすい目安です。企画に合わせて、増やしても減らしても構いません。
人数の見込みは、どうやって決めればよいですか?
家族や仲間など、確実に声をかけられる人の数を数え、そこから現実的に見積もります。