ページの構成

見出しだけ読んでも伝わるページに:クラウドファンディングの見出しの付け方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

読む人の多くは、まず見出しを目で追います。見出しだけで話の流れがわかるページに整えましょう。

見出しだけを上から読んで、企画の流れがわかるなら、そのページは伝わりやすいページです。支援を考える人は、いきなり本文を最初から読むとは限りません。まず画面をスクロールしながら、見出しをざっと目で追い、気になる所で止まって読み始めます。だから見出しは、本文の飾りではなく、ページの案内板です。この記事では、見出しの役割、付け方の型、直し方の手順を、書き直しの例つきで紹介します。

見出しは「流し読み」の道しるべ

ページの読み方には、二つの段階があります。ひとつは、全体をざっと眺める段階。もうひとつは、気になった部分をじっくり読む段階です。見出しは、一つめの段階で、読む人が「このページは自分に関係があるか」「どこを読めばよいか」を決める手がかりになります。

見出しが「はじめに」「想い」「詳細」「最後に」のような言葉だけだと、読む人は中身を想像できません。逆に、「この場所を次の世代に渡したい」「目標金額は、こう積み上げました」「届けたいリターンは、この三つです」のように、内容が見える見出しなら、流し読みでも話の筋が伝わります。

特にスマホで読む人は、画面が小さいぶん、文章を飛ばしやすくなります。見出しが道しるべの役割を果たしていると、飛ばした先でも迷いません。

見出しの基本:名前ではなく、中身を書く

見出しの付け方の基本は、「その段落が何を伝えるか」を言い切ることです。章の名前を付けるのではなく、段落の結論を見出しにします。

ありがちな見出し中身が見える見出し
はじめにこの場所の音を、次の世代にも残したい
プロジェクトについてわたしたちが、いまから挑戦すること
資金の使い道いただいた応援は、こう形になります
リターンお礼に、こんな体験をお届けします
最後にあなたの一歩が、この挑戦を前に進めます

右側の見出しは、左より少し長くなります。長くなっても構いません。ただし、スマホの画面で二行に収まる長さを目安にしましょう。短い言葉に込められる情報は少ないので、読む人に伝えたい結論を、一文に近い形で書きます。

見出しだけを並べて読む、三つのチェック

ページを書き終えたら、本文を隠して、見出しだけを上から順に読んでみましょう。次の三つを確かめます。

  • 流れ:見出しを追うだけで、「何をしたいか、なぜか、いくら必要か、お礼は何か」の順に話が進んでいるか
  • 差:見出しどうしの言葉が似すぎていないか。似ていると、読む人はどこを読めばよいか迷う
  • 温度:見出しの言葉が、硬い報告書の調子になっていないか。人の声で語りかける調子になっているか

流れのチェックでは、団体の外の人に見出しだけを見せるのが効果的です。「この企画は、何をしたいものだと思いましたか」と聞きます。答えが意図と合っていれば、見出しの役目は果たせています。ずれていたら、そのずれが、直す場所を教えてくれます。

書き直しの例:同じ内容の見出しを整える

例として、地域の音楽教室が新しい発表の場をつくる企画を考えます。最初の見出しの並びは、次のようでした。

  1. ごあいさつ
  2. 教室について
  3. 今回の企画
  4. 必要な費用
  5. リターンのご紹介
  6. おわりに

これを、見出しだけで流れが伝わるように直します。

  1. 子どもたちに、はじめての舞台をプレゼントしたい
  2. この教室は、地域の音楽の入口として歩んできました
  3. だから今、発表の場を自分たちの手でつくります
  4. 必要な費用は、一つひとつ内訳をお見せします
  5. 応援してくださる方に、感謝の音をお届けします
  6. はじめての舞台を、一緒に迎えてください

直した見出しは、上から読むだけで「何を、なぜ、いくらで、お礼に何を」の流れが追えます。内容の文章は同じでも、見出しが変わるだけで、ページの印象はずいぶん変わります。書き直すときは、本文を変える前に、見出しだけを先に並べ替えると作業が早く進みます。

見出しの型を三つ使い分ける

見出しがすべて同じ調子だと、単調に見えます。次の三つの型を、場面に合わせて使い分けると、ページに抑揚が生まれます。

型特徴向いている場所
宣言型「〜したい」「〜をつくります」と言い切る冒頭、企画の説明
問いかけ型「なぜ、いまなのでしょうか」と読む人に問う背景を語る前、迷いやすい所
数と中身型「リターンは三つ」「費用は四つの項目」と先に示す費用、リターン、スケジュール

宣言型は、ページの最初と最後に使うと力強く響きます。問いかけ型は、読む人が心の中で答えを探すので、次の段落への関心が高まります。ただし、問いかけが続くと読む人は疲れてしまうので、ページ全体で一つか二つに絞りましょう。数と中身型は、読む人に見通しを与えます。「三つ」と書いてあれば、いくつ読めば終わるかがわかり、安心して読み進められます。

どの型でも、見出しの中に、読む人にとっての利益や、企画の核になる言葉を一つ入れておくと、流し読みでも印象に残ります。たとえば「発表の場」「はじめての舞台」「感謝の音」のように、ページ全体で繰り返し使う言葉を決めておき、見出しにも顔を出させます。言葉がそろうと、ページ全体に一本の筋が通ります。

最後に、スマホの画面で見え方を確かめます。パソコンでは一行に収まった見出しが、スマホでは三行に折り返すことがあります。折り返しで言葉の途中が切れていないか、見出しの上に十分な余白があるかを見て、読みにくい所は言葉を短く整えます。友人や家族のスマホでページを開いてもらうと、自分の端末では気づかなかった崩れが見つかります。

見出しの下の最初の一文で、約束を果たす

見出しは、読む人への約束でもあります。「必要な費用は、一つひとつ内訳をお見せします」と書いたなら、その下の最初の段落で、すぐに内訳を見せましょう。見出しで期待させておいて、前置きが続くと、読む人は離れてしまいます。

見出しの直後の一文は、見出しの言葉を受けて、結論から書き始めます。「必要な費用は、全部で三つの項目に分かれます」のように、数と中身を先に示すと、読む人は安心して先に進めます。数字を載せるときは、公開前に金額の合計と内訳が一致しているかも確かめてください。

見出しの数にも目を配ります。見出しが多すぎると、読む人は細切れの印象を受け、少なすぎると、長い文章のかたまりに見えます。画面を一気にスクロールしたとき、見出しが適度な間隔で目に入るくらいが、読みやすい目安です。長い段落が続く所は、途中に小さな見出しを足して、息つぎの場所をつくります。

見出しの整え直しを一緒に進める

見出しは、ページの骨組みそのものです。骨組みを整えると、本文の書き直しの量も減ります。クラウドファンディング支援では、プロジェクト設計の段階で、目標、期間、リターン、見せ方の順番を一緒に決めます。順番が決まれば、見出しは自然に並びます。

書きかけのページや、頭の中にある流れのメモがあれば、そのまま相談に持ってきてください。見出しだけを並べて、読む人に伝わるかを一緒に確かめるところから始められます。ひとりの思いを、みんなの夢に。

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