発信の工夫

SNSをやっていない人のクラウドファンディング:手持ちの連絡手段で届ける

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

SNSが苦手でも、大丈夫。すでに持っている連絡手段を数えるところから、届け方を組み立てましょう。

SNSのアカウントが無くても、クラウドファンディングは始められます。コツは、新しい発信の場所を増やすことではなく、すでに持っている連絡手段を数えて、相手ごとに使い分けることです。メール、LINE、手紙、チラシ、直接のお話、そして身近な人の力。これらを組み合わせれば、必要な人にちゃんと届きます。

この記事では、連絡手段の棚卸し、相手別の使い分け、身近な人に頼める役割、SNSに触れずに進める公開中の一日を、順番に紹介します。

SNSが無くても始められる理由

クラウドファンディングの支援は、掲載先のページを通じて行われます。支援してくれる人に必要なのは、ページのURLと、応援したいという気持ちです。SNSはその知らせを広める手段のひとつで、ほかにも道はたくさんあります。

長年お店や教室を続けてきた方ほど、顔の見える関係を多く持っています。常連さん、生徒さんとその保護者、取引先、近所の方。こうした人たちへの声かけは、SNSの投稿よりも、むしろ確かな力になることがあります。

伊豆山の野外ステージづくりでは、173人の応援が1,000万円以上の支援につながりました。人数の大きな企画でも、一人ひとりへのお知らせが積み重なる点は変わりません。クラウドファンディング支援は、オンラインで全国から相談を受けており、SNSを使わない方の設計も、広報と伴走の中で一緒に考えられます。

まず、手持ちの連絡手段を数える

最初の作業は、「何を持っているか」の棚卸しです。紙に書き出してみてください。

連絡手段持っているもの届けられる相手の例
メールメールアドレスの一覧、お客様への案内メール仕事の関係の方、年配の方
LINEなどのメッセージ友だち一覧、グループ家族、仲間、常連さん
電話・直接のお話顔を合わせる機会近所の方、来店・来校する方
紙会計時に渡せるカード、掲示板、会報通ってくださる方全員
会合・イベント定例の集まり、発表会、お祭り団体の仲間、保護者、地域の方
紹介知人を通じたお知らせ連絡先を持たない方

表を埋めてみると、「SNSはやっていないけれど、手段は意外とたくさんある」と実感できます。棚卸しのあとで、手段ごとに「誰に・いつ・何を伝えるか」を一行ずつ書き添えると、公開前の準備がそのまま連絡の予定表になります。数の多さよりも、いつもの関係の中で自然に伝えられる手段を選ぶのが、長続きするコツです。

相手別に、手段と言葉を使い分ける

相手によって、読みやすい手段も、響く言葉も違います。三つのタイプに分けて考えます。

相手おすすめの手段言葉のコツ
日頃から顔を合わせる人直接のお話+名刺サイズのカード「実は挑戦したいことがあって」と口頭で伝え、カードにページのQRコードを載せる
連絡を取り合う仲間メッセージやメール思い出の一言を添えて個別に送る
離れている人、遠慮がちな人手紙・メール、共通の知人見るだけでもうれしい、と伝える

同じ人にも、最初は直接のお話、公開後はメッセージ、と手段を切り替えると、自然に何度か接点を持てます。

案内カードに書く内容

紙のカードは、手渡しできる小さな広報です。裏表で足りる分量に、次の内容を入れてみてください。

場所書くことひと言のコツ
表挑戦の名前と、一行の説明何をしたいのかが一目で分かる言葉にする
裏ページのQRコード、公開の日付、問い合わせ先スマートフォンが苦手な方向けに、お電話などの連絡先も添える
手書きの余白渡す相手への一言名前を呼び、思い出を一つ書くと温かさが伝わる

カードは、会計のとき、レッスンの終わり、集まりの帰りなど、自然に渡せる場面に置きます。渡すときは「見てもらえたらうれしいです」とひと言添えるだけで、押しつけにならず、受け取ってもらいやすくなります。カードの枚数は、渡せそうな人数より少し多めに用意すると、思いがけない場面でも手渡せます。

身近な人に頼める役割

SNSを自分で扱わなくても、扱える人に役割を頼む方法があります。ただし、起案者の言葉を勝手に変えてもらわないよう、頼み方を決めておくのが大切です。

  • お知らせ係:起案者が書いた文章を、そのまま投稿してもらう
  • 写真係:活動の様子を撮って、起案者に送ってもらう
  • 橋渡し係:ページを見られない方に、画面を見せたり読み上げたりする
  • 返信の相談係:コメントへの返事を、一緒に考えてもらう

頼むときの一言

身近な人に役割を頼むときは、お願いの範囲を先に伝えると、相手も引き受けやすくなります。「投稿は週に一度、私が書いた文章をそのまま載せてもらえたら助かります」のように、頻度と内容を具体的に伝えます。終わりの時期(公開の最終日まで)も添えておくと、相手の負担が見通せます。

お願いするときは、投稿してほしい文章と写真を、こちらで用意して渡します。「このまま使ってね」と伝えれば、相手も気軽に引き受けやすくなります。

代理で投稿してもらう場合は、公式な窓口を一つに決めておくと安心です。

SNSなしの公開中の一日

公開中にやることは、SNSの投稿が無くても決められます。たとえば、次のような一日の流れです。

  1. 朝のうちに、昨日の支援とコメントを確認する
  2. お礼を、メッセージやメールで個別に返す
  3. その日に会う人に、直接ひとこと伝える
  4. 活動報告の下書きを少し進める
  5. 夜に、名簿を更新して終える

夜の更新は、短い時間でかまいません。続けやすい長さに決めておくことが、最後まで走り切る秘訣です。

週に一度は、「連絡を取れていない人はいないか」を名簿で見直す時間をつくります。忙しい週は、メッセージを一通だけ送る日があっても十分です。

活動報告は、掲載先のページの中で書けます。公開後1週間、半分の時点、最後の1週間の3回が書きやすい型です。この3回を柱にして、あいだの日は個別の連絡に時間を使うと、無理がありません。

SNSを使うかどうかは、あとから決めてもよい

最初はSNSを使わず、途中で必要を感じたら、小さく始めるという選択肢もあります。最初の入口として、お店や教室の紹介だけを載せる簡単なアカウントを、誰かと一緒に作る方法です。

大切なのは、無理をして続かなくなることを避けることです。自分に合った手段で、確かに届ける。その姿勢が、支援者との信頼にもつながります。

連絡手段の設計も、相談できます

クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いで、公開前の準備から報告まで伴走しています。SNSを使わない方に合った、広報の組み立ても一緒に考えられます。

流れは、ご相談→設計→準備→公開・伴走→報告です。準備は公開したい日の90日前から始めるのが目安で、料金はプロジェクトごとのお見積りです。お問い合わせフォームやLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国どこからでもご相談いただけます。まずはクラウドファンディング支援のトップページをご覧ください。

よくある質問

SNSが無いと、支援は集まりにくいですか。

顔の見える関係へのお知らせは、確かな力になります。メール、メッセージ、手紙、直接のお話を組み合わせて届けましょう。

家族に代わりに投稿してもらってもよいですか。

はい。起案者が文章と写真を用意して「そのまま使ってね」と渡すと、言葉がぶれずに進められます。

途中でSNSを使いたくなったらどうしますか。

小さなアカウントを、得意な人と一緒に作る形で始められます。無理のない範囲で、少しずつ広げましょう。