ページの見せ方

写真に添える一言の付け方:キャプションで場面を伝える

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

写真の下に一行を添えるだけで、見る人は場面を思い浮かべ、企画の意味まで受け取れます。

写真のキャプションは、「誰が、どこで、何をしているか」の三点を一行にまとめると、場面が伝わります。写真は、見る人の目を止める力が強い反面、何を見せたいのかまでは語ってくれません。同じ一枚でも、下に添える一言しだいで、ただの風景にも、企画の出発点にも見えてきます。この記事では、キャプションの基本の型、写真の種類ごとの書き分け、仕上げの確認方法を、例文つきで紹介します。

写真だけでは伝わらないもの

ページを読む人は、企画の現場にいません。写真を見ても、そこが誰の場所で、いつの様子で、なぜそれを載せたのかは、わからないのがふつうです。起案者にとっては毎日見慣れた練習場でも、初めて見る人には、ただの部屋に映ります。

キャプションの役目は、写真と企画をつなぐことです。見る人は、写真を見て、一行を読み、「ああ、この場所で、この人たちが挑戦するのか」と理解します。その理解が生まれると、続く本文も読み進めてもらいやすくなります。特にスマホで読む人は、長い文章を飛ばして写真だけを見ることがあります。写真の下の一行が、その人にとっての最初の説明になります。

基本の型:誰が・どこで・何を

キャプションに入れたい情報は、三つです。

  • 誰が:団体の名前、役割、年代など、写っている人のこと
  • どこで:練習場、ステージ、お店の前など、場所のこと
  • 何を:練習している、準備している、完成を待っているなど、していること

三点をそろえると、たとえば「地域の合唱団のみんなが、いつもの公民館で本番に向けて声を合わせています」という一行になります。三点のうち一つが抜けても読めますが、そろっているほうが場面の解像度が上がります。

ここに、もう一歩、「なぜ」を足せる写真があります。企画の出発点になった場所や道具の写真には、「この場所をこれからも使い続けたくて、挑戦を決めました」のように、想いを添えます。ただし、全部の写真に「なぜ」を書くと、ページが想いで重くなってしまいます。想いを添える写真は、全体のなかで数枚に絞りましょう。

写真の種類ごとの書き分け

ページに載せる写真は、役割によって書き方が変わります。代表的な四種類を、表にまとめます。

写真の種類キャプションの狙い書き方の例
場所の写真どんな場所かを伝え、愛着を共有する毎週みんなが集まる、少し古い公民館のホールです
人の写真顔の見える安心を届ける練習のあとに笑顔でそろった、メンバーの集合写真です
制作・準備の写真進んでいる実感を伝える本番で使う楽譜を、手書きの書き込みで仕上げています
リターンの写真受け取るものを具体的に見せる支援のお礼にお届けする、メッセージ入りのカードです

場所の写真には、場所への愛着を一言で添えます。人の写真には、人柄が伝わる言葉を選びます。制作や準備の写真には、進み具合を示す言葉を添えます。リターンの写真には、何が届くのかをそのまま書きます。リターンの写真は、実際に届くものと同じ状態で撮ったものを使い、キャプションにも届くものの名前を入れると、受け取るイメージがはっきりします。

長さと文体:一行に収める工夫

キャプションは、スマホの画面で一行から二行に収まる長さが読みやすさの目安です。三十字から五十字程度を意識して、一文に一つの情報だけを入れます。長くなりそうなときは、情報を絞るか、本文に移します。

文体は、ページ本文とそろえます。本文がですます調なら、キャプションもですます調にします。体言止めで書く場合は、ページ全体で統一しましょう。途中で文体が変わると、読む人は小さな違和感を覚えます。

もうひとつ気をつけたいのは、写真に写る人への配慮です。人が写っている写真は、載せてよいか本人に聞いてから使います。子どもが写る場合は、保護者にも事前に伝えます。キャプションに名前を入れるときも、載せてよいかを本人に聞き、呼び名や肩書きの書き方まで確かめておくと、公開後に慌てません。

書いたあとの確認:写真を隠して読む

キャプションを書いたら、二つの確認をします。

ひとつめは、写真を隠してキャプションだけを読むことです。それだけで場面が思い浮かぶなら、「誰が・どこで・何を」が入っています。思い浮かばなければ、情報が足りません。

ふたつめは、キャプションを隠して写真だけを見ることです。写真から何が伝わり、何が伝わらないのかがわかります。写真だけで伝わることは、キャプションで繰り返さなくて構いません。写真に写っていない部分、たとえば「この場所で四十年続いてきました」といった背景を、一言で補います。年数や数字を載せるときは、事実を確かめてから書いてください。

この二つの確認を終えたら、写真を一覧にして並べ、キャプションだけを上から順に読んでみましょう。キャプションを読むだけで、企画の流れが追えれば完成です。写真とキャプションの列が、そのままページの骨組みの役割を果たします。

つまずきやすい書き方と、その直し方

キャプションでよくつまずく書き方を、直し方と一緒に並べます。

つまずき直し方
「練習風景」だけで終わる誰が、何のために練習しているかを足す
「感動の瞬間です」と気持ちだけを書く何が起きた瞬間かを、行動で書く
専門用語や団体の内輪の呼び名を使う初めて読む人にも伝わる言葉に言い換える
すべての写真に同じ型の文を使う写真の役割ごとに、狙いを変えて書く
写真の説明が本文と同じ内容になる写真にしか写っていないことを一言で書く

特に多いのが、気持ちだけを書いてしまう例です。「感動の瞬間です」と書かれても、見る人には何が起きたのかがわかりません。「初めて全員の声がそろった日の様子です」と書き直すと、気持ちを言わなくても、感動の中身が伝わります。気持ちは、起きたことを具体的に書くと、自然とにじみ出ます。

内輪の呼び名も気をつけたい点です。団体の中では通じる「いつものスタジオ」「あの部屋」といった言い方は、初めて読む人にはわかりません。場所の名前や、どんな場所かを一言足しましょう。団体の仲間に、初めて見る人の目で読んでもらうと、見落としが見つかります。

最後に、並べ方です。写真は、ページの流れに沿って、場所、人、準備、リターンの順に並べると、読む人の理解が自然に進みます。冒頭には、企画の中心がひと目で伝わる写真を一枚置き、そのキャプションには、企画の名前や目指すことを入れましょう。冒頭の写真と一行は、一覧やSNSで共有されたときにも、最初に目に入る場所になります。

写真選びから、一緒に考える

手元の写真が少なくても、一枚の写真に添える言葉を磨けば、ページは伝わります。クラウドファンディング支援では、準備の段階で、文章、写真、動画、音楽を一緒にそろえていきます。写真は、どれを載せるか、どの順に並べるか、どんな一言を添えるかまで、起案者の言葉を引き出しながら整えます。

ひとりの思いを、みんなの夢に。まずは手元の写真を数枚選んで、相談に持ってきてください。一枚ずつ「これは誰の、どこの、何の場面か」を言葉にするところから始められます。

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