公開前の準備

公開前アンケートで企画の手応えを確かめる:質問の作り方と結果の使い方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

公開前に身近な人の声を聞いておくと、ページの言葉もリターンも、ぐっと選びやすくなります。5つの質問で答えやすいアンケートをつくる方法です。

結論から言うと、公開の前に身近な人へ5つだけ質問するアンケートをとると、企画のどこが響くのか、どんなお返しが喜ばれるのかが見えてきます。長いアンケートは必要ありません。スマホで1分以内に答えられる量にして、10人から20人ほどの声を集めれば、ページの書き出しもリターンの顔ぶれも決めやすくなります。

クラウドファンディングの準備は、自分の頭の中だけで進めると、どうしても「自分が伝えたいこと」に偏りがちです。読む人が知りたいことと少しずれていることもあります。アンケートは、そのずれを公開前に小さく直すための道具です。この記事では、質問の作り方、配り方、答えの読み取り方、そして結果をページに生かす手順を順番に紹介します。

アンケートで分かることと、分からないこと

最初に、アンケートに何を期待するかをそろえておきます。分かることは次の3つです。

  • 企画を聞いて、どの部分に興味を持ってくれたか
  • どんなお返しなら、うれしいと感じるか
  • どの方法で知らせてもらうと、気づきやすいか

反対に、アンケートの答えだけで「いくら集まるか」を予想することはできません。「応援したい」と答えてくれた人が、実際にページを開くかどうかは、公開の日の声かけや、ページの読みやすさにも左右されます。アンケートは、予想のための数字集めではなく、伝え方を磨くための声集めと考えると、使いやすくなります。

誰に聞くか:まず10人を決める

聞く相手は、見知らぬ大勢より、顔が浮かぶ10人のほうが役に立ちます。次の表のように、輪を分けて選ぶと偏りません。

輪例人数の目安聞いて分かること
家族・近い友人いつも活動を見てくれている人3人思いが伝わっているか、言葉が分かりやすいか
活動の仲間・常連さん教室の生徒、お店のお客さん、団体のメンバー4人どんなお返しが喜ばれるか
少し距離のある知り合い取引先、近所の人、昔の同僚3人初めて聞く人に企画が伝わるか

最初から全員に送る必要はありません。まず10人に送り、答えを見て質問を直してから、さらに広げる順番がおすすめです。質問の言い回しがわかりにくいと、後から気づいても取り返しにくいからです。

質問は5つまで:そのまま使える例

質問を増やすほど、答える人の負担が増え、途中でやめる人が出ます。次の5つを土台にして、自分の企画に合わせて言い換えます。

  1. 企画の説明を読んで、いちばん心に残ったのはどこですか(自由記述。1〜2行で十分)
  2. 分かりにくかった言葉や、もう少し知りたいことはありますか(自由記述)
  3. 次のお返しのうち、うれしいものを2つまで選んでください(選択式。候補は4〜6個)
  4. 知らせるなら、どの方法が見つけやすいですか(LINE、SNS、メール、直接の声かけから選ぶ)
  5. 公開したときに、声をかけてもいいですか(はい・あとで考える)

5問目は、お願いではなく了承をもらう質問にしているのがポイントです。「応援してください」と先にお願いすると、答える側が身構えてしまいます。「声をかけてもいいですか」と聞かれれば、気軽に「はい」と言えますし、公開の日に連絡する理由もできます。

選択式の候補は、実現できるものだけを並べる

3問目の候補は、実際に用意できるものだけを並べます。たとえば、音楽の企画なら次のような候補が考えられます。

  • 完成した曲のデータや、ライブの映像
  • お礼のメッセージカード
  • 練習風景や制作の裏側をまとめた写真・動画
  • お名前の掲載(希望した人だけ)
  • 参加できる体験や、お披露目の会への招待
  • 地域の品や、手づくりの小さな贈りもの

お店や宿の開業なら、オープン前の見学会や、開業後に使える品を候補に入れられます。ここで気をつけたいのは、アンケートに載せた候補は、期待を生むということです。「それは用意できません」という結果にならないよう、準備できる範囲の候補だけを載せます。

送り方と、返事をもらいやすくする工夫

アンケートの形は、凝らなくて構いません。使い慣れた方法で、答えてもらいやすいものを選びます。

方法向いている相手ひと言の例
LINEで直接質問を送る家族・親しい友人「新しい挑戦の準備中です。5つだけ、感想を聞かせてください」
フォームのリンクを送る仲間・常連さん「1分で終わります。いただいた声は、準備に生かします」
会ったときに口頭で聞くスマホが得意でない人「ちょうど今、準備中でね。ひとつ聞いてもいい?」

返事をもらいやすくするコツは3つあります。1つ目は、所要時間を先に伝えること。2つ目は、締め切りを3日から5日ほどで決めること。3つ目は、答えてくれた人に、その日のうちにお礼を返すことです。お礼は短くて構いません。「ありがとうございます。いただいた声で、ページを直します」のひと言があると、次の連絡も受け取ってもらいやすくなります。

集まった答えの読み取り方

答えが集まったら、1枚の紙かスプレッドシートに、質問ごとに並べて書き写します。そのうえで、次の順に見ていきます。

1問目と2問目は、言葉の線引きに使う

心に残った場所として複数の人が挙げた言葉は、ページの冒頭や見出しに使える強い言葉です。反対に、分かりにくいと挙げられた言葉は、言い換え候補に回します。1人だけが書いた意見は、全員にあてはまるとは限りません。2人以上が同じ点を書いたときに、直す対象にすると、振り回されずにすみます。

3問目は、リターンの並べ方に使う

選ばれた回数の多い順に並べると、人気のある候補が分かります。ただし、人気のものがすべて用意できるとは限りません。用意の手間と、届けられる時期を考えて、メインに置くもの、少数で用意するもの、見送るものに分けます。見送った候補は、活動報告で「次の機会に」と伝えるときの材料にもなります。

4問目と5問目は、公開日の連絡表に使う

「LINEが見つけやすい」「直接声をかけてほしい」といった答えは、公開日の連絡の方法をそのまま決めてくれます。5問目で「はい」と答えた人の名前は、連絡先リストの先頭に置きます。公開の日に、誰に、どの方法で、いつ連絡するかが、アンケートだけでほぼ決まります。

結果をページに反映する3つの手順

  1. 書き出しを見直す:複数の人が心に残ったと挙げた部分を、ページの最初の数行に移す
  2. リターンの顔ぶれを整える:選ばれた候補と、用意できる範囲を照らし合わせて、3個から5個にしぼる
  3. よくある質問に加える:2問目で出た「もう少し知りたいこと」を、先回りして答える形でページに載せる

直した後のページは、アンケートに答えてくれた人のうち、何人かにもう一度見てもらうと安心です。「こう直しました」と見せると、自分の声が生きたことが伝わり、公開のときに応援してもらいやすくなります。

つまずきと直し方

つまずき直し方
返事がなかなか集まらない質問を5つから3つに減らし、直接ひと言を添えて送り直す
「いいと思う」としか返ってこない1問目を「いちばん心に残った所」と具体的に聞き直す
意見がばらばらで決められない2人以上が同じ点を書いたものだけを直す対象にする
リターンの希望が用意できないものばかり用意できる範囲の言葉に置き換えて、近い案を提案する
聞く相手が身内に偏った少し距離のある3人に、同じ説明文だけを読んでもらう

アンケートの前に、企画を一枚にしておく

アンケートに添える企画の説明は、長文にしないことが大切です。100字から200字で、「何をするのか」「なぜするのか」「どんなお返しを考えているのか」の3点だけを書きます。説明が長いと、質問に入る前に読む気持ちが薄れてしまいます。伝える言葉に自信がないときは、企画の整理から一緒に進めることもできます。

クラウドファンディング支援は、地域の団体、お店、音楽や舞台のつくり手の挑戦に、公開前の準備から伴走しています。公開したい日の90日前から準備を始めるのが目安で、アンケートも、その最初の1か月でとると、ページの文章やリターンに十分に反映できます。起案者が自分の言葉で語れるよう、一緒に整えていきます。

相談の入口は、こちらからどうぞ。クラウドファンディング支援のトップページへ

よくある質問

アンケートは何人くらいに聞けばよいですか

まず顔が浮かぶ10人に送り、答えを見て質問を直してから、10人から20人ほどに広げるのがおすすめです。人数より、輪をばらして選ぶことが大切です。

アンケートに答えた人は、必ず支援してくれますか

答えと実際の支援は別のものです。アンケートは伝え方を磨く声集めと考え、公開の日の声かけとページの読みやすさで応援につなげます。

質問は5つより多くしてもよいですか

1分以内に答えられる量が目安なので、5つまでがおすすめです。知りたいことが増えたときは、第2弾として別の機会に聞くと答えてもらいやすくなります。