相談の準備
見積りを相談するときに伝えたい情報:予算・時期・手伝ってほしい範囲の整理
固定の料金表がないからこそ、最初の相談でいくつかのことを伝えると、見積りの話が早く進みます。整理しておきたい五つの項目をまとめました。
見積りの相談では、「何を実現したいか」「いつ公開したいか」「どの手伝いがほしいか」「予算の考え方」「自分たちでできること」の五つを伝えると、話が早く進みます。クラウドファンディングの伴走支援には、固定の料金表がありません。プロジェクトに応じて相談のうえ、見積りを出す進め方だからです。相談する側が五つの項目を整理しておくと、自分たちに合った形が見つかりやすくなります。
この記事では、五つの項目の考え方と、そのまま書き込めるメモの形を紹介します。完璧に埋める必要はありません。わかるところだけ書けば、相談の出発点になります。
見積りがプロジェクトごとになる理由
クラウドファンディングの伴走は、プロジェクトの中身によって、必要な手伝いが大きく違います。音楽のCDづくり、舞台の公演、地域のまちづくり、お店や宿の開業。それぞれ、準備すること、必要な素材、公開中の発信の内容が変わります。
手伝いの種類は四つです。プロジェクト設計(目標・期間・見せ方)、物語と動画・音楽、リターン設計(体験や地域の品など)、広報と伴走(公開前から報告まで)。どれをどの程度頼むかで、見積りの内容は変わります。だから、料金を一律に決めるのではなく、プロジェクトに合わせて相談のうえ見積りを出す形になっています。
伝えたい五つの項目
| 項目 | 伝えること | わからないときは |
|---|---|---|
| 一 実現したいこと | 挑戦の中身を一文で | 「こうなったら嬉しい」という姿を書く |
| 二 公開したい時期 | 公開したい日、または完成させたい日 | 季節や行事に合わせた時期の候補でよい |
| 三 頼みたい手伝い | 四つの手伝いのうち、気になるもの | 「何から頼むか迷っている」と伝える |
| 四 予算の考え方 | かけられる範囲、集めたい金額の見当 | 決まっていなければ、そのことを伝える |
| 五 自分たちでできること | 文章、撮影、連絡など、手が動く範囲 | 得意なことと、苦手なことを分けて書く |
それぞれ、次の節で詳しく見ていきます。
一・二:実現したいことと公開したい時期
実現したいことは、完成の姿が見える一文で書きます。「地域の子どもから大人までが使えるステージをつくる」「新しいお店を開く資金と、応援してくれる仲間を集める」のように、誰が、何を、どうするのかが伝わる形です。
公開したい時期は、見積りの内容に大きく関わります。準備は公開したい日の90日前から始めるのが目安です。時期が決まっていれば、その日から逆算して準備の期間を確保できます。時期が決まっていなくても、行事の日や完成させたい季節を伝えるだけで、準備を始める日の見当がつきます。
- 公開したい日が決まっている場合:その日付と、理由を伝える。
- 完成させたい日がある場合:その日付を伝え、公開の時期を一緒に逆算する。
- どちらも決まっていない場合:「まだ決まっていない」と伝え、候補の季節を話す。
三:頼みたい手伝いの範囲
四つの手伝いのうち、どれを頼みたいかを伝えます。決まっていなければ、迷っていることを伝えるだけで構いません。相談の中で、必要な手伝いを一緒に探します。
範囲を考える目安
| こんな気持ち | 気になる手伝い |
|---|---|
| 何から決めればよいかわからない | プロジェクト設計 |
| 想いを文章や動画にできない | 物語と動画・音楽 |
| 届けるものが決まらない | リターン設計 |
| 知らせる方法に自信がない | 広報と伴走 |
一つだけ頼むことも、複数を組み合わせることもできます。伴走は代行ではなく、起案者が自分の言葉で語れるよう一緒につくる進め方なので、頼んだあとも、決める主役は起案者本人(団体)です。
四:予算の考え方を伝える
予算は、二つの意味で考えます。一つは、伴走の手伝いにかけられる費用の考え方です。もう一つは、プロジェクトそのものに必要な金額(目標金額)です。この二つは別のものなので、メモの中で分けて書きましょう。
- 伴走にかけられる範囲:今回の挑戦で、準備や発信の手伝いにどれくらい充てられるか。
- プロジェクトに必要な額:企画の実現に必要な費用の見当。まだ決まっていなければ、項目だけでも書き出す。
予算の見当を書いておくと、相談の中で、何を優先して何を後に回すかを決めやすくなります。決まっていなければ、「まだ決まっていません」と伝えるだけで大丈夫です。
五:自分たちでできることを書く
自分たちで進められることを伝えると、頼む範囲が無理なく決まります。文章を書くのが得意な方、写真を撮れる方、地域の人に声をかけられる方など、チームの強みを挙げてみましょう。
- 文章は書けるが、動画の編集は難しい。
- 写真や録音の素材は手元にたくさんある。
- 地域のお店や団体と、すでにつながりがある。
- 公開中に毎日発信する時間は、取れそうにない。
できないことを伝えるのは、大切な情報です。足りない部分を知ってもらうほど、必要な手伝いがはっきりします。
相談に向かう三つの心がまえ
最後に、相談に向かうときの心がまえを三つ挙げます。
- 完成した資料は要らない:箇条書きのメモで十分です。きれいに整えるより、早く相談を始めるほうが、準備の時間を確保できます。
- 決まっていないことを隠さない:「決まっていない」と伝えるのは大切な情報です。どこで迷っているかがわかると、話の進め方が決まります。
- 比べたいことも伝える:他の掲載先や進め方と迷っている場合は、その迷いも伝えましょう。判断の材料が増えます。
まず話してみて、自分たちの挑戦に合う進め方かどうかを確かめる場として、相談を気軽に使ってください。迷っていること自体が、見積りを考える大切な手がかりになります。小さな疑問も、遠慮なく書き添えてください。
書き込み式メモと、相談の入口
五つの項目を、次の形でメモにしてみてください。相談の場で見せたり、送ったりすることで、話がすぐに本題に入ります。
| 項目 | あなたの言葉 |
|---|---|
| 実現したいこと | ( ) |
| 公開したい時期 | ( ) |
| 頼みたい手伝い | ( ) |
| 予算の考え方 | ( ) |
| 自分たちでできること | ( ) |
メモを育てていく
最初のメモは、相談を重ねるたびに書き足していくと、プロジェクトの設計図に育ちます。打ち合わせで決まったことは赤字で、まだ迷っていることは青字で、といったふうに色を分けると、進み具合が一目で見えます。見積りの内容が固まったあとも、メモを見返せば、自分たちが何を頼み、何を自分たちで進めるのかを確かめられます。団体で進めるなら、メモを共有の場所に置き、全員がいつでも開ける状態にしておきましょう。
相談の流れは、ご相談、設計、準備(文章・写真・動画・音楽)、公開・伴走、報告です。相談は、お問い合わせフォームや、LINE(AtoNO Records)から始められます。英語での問い合わせにも対応し、オンラインで全国から相談できます。
伊豆山の野外ステージづくりは、CAMPFIREで2023年に173人から1,000万円以上の支援が集まりました。挑戦の大きさに関わらず、まずは一文のメモから始めてみてください。
よくある質問
料金表はありますか?
固定の料金表はなく、プロジェクトに応じて相談のうえ、見積りを出します。
予算が決まっていなくても、相談できますか?
できます。決まっていないことを伝えてもらえれば、一緒に整理しながら進めます。
準備はいつから始めればよいですか?
公開したい日の90日前から始めるのが目安です。時期が決まっていれば、その日から逆算して準備の期間を一緒に考えます。