文章の磨き方

ページの文章を声に出して読む:音読で引っかかりを見つける五つのチェック

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

目で読むと気づけない文章の引っかかりも、声に出すと見つかります。公開前に十分ほどかけて、ページを音読してみましょう。

結論から言うと、ページを公開する前に、全文を声に出して一度読んでみてください。読んでいる途中で息が続かなくなる文、つっかえる言葉、「あれ、今なんて書いた?」と戻りたくなる箇所が、そのまま直すべき場所です。目で追っているときは気づけない引っかかりが、声に出すとはっきり見えてきます。

音読は、道具も費用も要らず、一人でも始められる方法です。この記事では、音読で見つけたい五つのポイントと、直し方の具体例をまとめます。

なぜ、声に出すと見つかるのか

文章を目で読むとき、私たちは無意識に言葉を飛ばしたり、頭の中で補ったりしています。書いた本人は特に、自分の意図を知っているので、足りない言葉があっても読めてしまいます。ところが声に出すと、一語ずつ順番に読むことになり、自然に速さが落ちます。その結果、次のようなことに気づけます。

  • 息の切れ目がなく、読み続けられない長い文
  • 同じ語尾が続いて、単調に聞こえる箇所
  • 読み方に迷う漢字や、聞いただけでは意味の取れない言葉
  • 主語がどこかへ行ってしまい、誰の話か分からなくなる箇所

支援者の多くは、スマートフォンで、移動の合間にページを読みます。流し読みでも伝わる文章にするには、声に出して引っかかりのない流れにしておくことが近道です。

音読の進め方:準備と回数

やり方はとても簡単です。次の手順で進めます。

  1. ページの文章を、書き出したメモか画面で用意する
  2. 落ち着いて話せる場所で、普段の会話より少しゆっくりの速さで読む
  3. つっかえた所、息が苦しくなった所に、印をつける
  4. 印のついた所だけを直して、もう一度、全体を読む

全文を読むのに時間がかかる場合は、見出しごとに区切って、日を分けて行っても構いません。大切なのは、書き直したあとに、もう一度声に出して確認することです。直したつもりで、別の引っかかりが生まれていることがよくあります。

読むときは、録音して聞き返す方法も効果的です。自分の声で読み上げた文章を耳で聞くと、読者の立場に近い感覚で、文章を受け取れます。録音は、スマートフォンの録音アプリで十分です。

見つけたい五つの引っかかりと直し方

印をつけた箇所は、次の五つのどれかに当てはまることが多いです。それぞれの直し方を表にします。

引っかかり見つけ方直し方
長すぎる一文読んでいて息が続かない句点で二つに分ける。接続の言葉で、つなぎすぎない
語尾の連続同じ終わり方が三回以上続く体言止めや問いかけを混ぜ、リズムを変える
聞いて分からない言葉読んでいて、意味が一瞬止まるやさしい言葉に言い換える。説明を一言足す
主語の行方不明誰が何をするのか戻って確認したくなる主語を文頭に置く。「私たちは」「この企画では」と明示する
つながらない段落次の段落に移るとき、話が飛ぶつなぎの一文を足すか、順番を入れ替える

直す前と後の例

たとえば、次のような一文があったとします。

「この企画は地域の子どもたちや大人が世代を超えて集まれる場所をつくることを目的としていて、そのために必要な設備を整えるための費用を皆さんに応援していただきたいと考えており、完成した場所では様々な催しを開く予定です。」

声に出すと、途中で息が続きません。直すときは、伝えたいことを三つに分けます。何をつくるのか、なぜつくるのか、完成後に何が起きるのか。

「つくりたいのは、子どもも大人も集まれる地域の居場所です。設備を整えるために、皆さんの応援が必要です。完成したら、さまざまな催しを開きます。」

三つの文に分かれ、一文ごとに息が整います。内容は変わっていませんが、読む人の負担は大きく減りました。文を分けるときは、元の文の「ため」「ので」「ており」といった、つなぎの言葉を目印にすると、切れ目が見つけやすくなります。

読むときの速さと「間」を意識する

音読は、ただ読み通すだけでなく、聞き手に話しかけるつもりで読むと、文章の「間」が見えてきます。話すときに自然に息を継ぐ場所は、読点や句点を置くべき場所とほぼ重なります。読んでいて自然に区切りたくなるのに点がない箇所には、点を足します。逆に、点が多すぎて細切れになっていると、息が途切れて落ち着きません。

特に大切なのは、冒頭の数行と、結びの数行です。冒頭は、読む人が続きを読むかどうかを決める場所なので、ゆっくり、はっきり読める文にします。結びは、読んだ人の背中を押す場所なので、力強く言い切れる文にします。読んでいて気持ちが入る文は、書き手の本音が出ている文です。逆に、気持ちが入らない文は、あとで見直す候補にします。

音読のあとの確認リスト

  • 最初の一文は、息継ぎなしで読めたか
  • 聞いただけで意味が取れない言葉は、残っていないか
  • 同じ語尾が三回以上続く箇所はないか
  • 数字や日付は、声に出しても迷わず読めるか
  • 最後の一文を、自分の言葉として言い切れたか

この五つが確認できれば、音読チェックは完了です。

もう一つ、読み方に迷う言葉の扱いにも気を配ります。難しい漢字や専門用語は、音読中に止まる原因になります。止まった言葉は、ひらがなに開くか、短い説明を添えます。また、数字は、声に出したときに読み間違えにくい書き方にそろえます。日付や金額は、ページの中で書き方を統一しておくと、読む側が迷いません。

音読を続けていくと、自分の書き癖も見えてきます。たとえば、いつも文が長くなる、同じ接続の言葉をよく使う、といった癖です。癖を知っておくと、公開中の活動報告や、SNSの投稿を書くときにも役立ちます。一度身についた音読の習慣は、ページづくりだけでなく、これからの発信すべてを支えてくれます。

誰かに読んでもらう、聞いてもらう

自分で音読したあとは、家族や友人に頼んで、聞き手になってもらうのもおすすめです。次の二つの方法があります。

  • 聞いてもらう:全文または冒頭の一部を読み上げ、聞き取れたことを言葉にしてもらう
  • 読んでもらう:相手に声に出して読んでもらい、つっかえる箇所を観察する

特に、相手がつっかえた箇所は、他の読者も同じように迷う場所です。自分では読みやすいと思っていた文でも、他の人が読むと止まることがあります。そのときは、理由を聞かずに、まず書き直してみましょう。

音読チェックを公開前の作業に組み込む

音読は、公開の直前ではなく、少し余裕のある時期に行うと効果的です。直した結果を、さらに別の人に確認してもらう時間が取れるからです。次の流れを、準備のスケジュールに入れておきます。

  1. 下書きが完成したら、最初の音読をする
  2. 直したら、第三者に読んでもらう
  3. 指摘を受けて直し、公開の数日前に、最後の音読をする

最後の音読では、細かい直しよりも、全体の流れが自然かどうかを確認します。息が合い、リズムよく最後まで読み通せるなら、そのページは支援者にも気持ちよく読んでもらえます。

クラウドファンディング支援では、起案者が自分の言葉で語れるよう、文章づくりから公開中の発信、終了後の報告まで伴走しています。声に出して読んだ文章の磨き方や、書き直しの相談も受けています。

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