準備の進め方

ほかのプロジェクトページを読んで学ぶ:参考にする五つの視点

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

ほかのプロジェクトページは、最高の先生です。五つの視点で読み、メモを取ると、自分のページに足りないものと、自分らしさが見えてきます。

ほかのプロジェクトページを読むときは、「構成」「冒頭」「リターン」「報告」「文章の声」の五つの視点で見ると、自分のページに生かせる学びが得られます。うまくいったページをそのまま真似るのではなく、「なぜ自分はこのページに心が動いたのか」を言葉にしてみる。その理由が、自分のページで大切にしたいことのヒントになります。この記事では、五つの視点とメモの取り方、学んだことを自分のページに移す手順を順にご紹介します。

読む前に決めておく:何を知りたいか

ページを読み始める前に、「今日は何を知りたいのか」を一つ決めておきます。目的がないまま読むと、印象だけが残って、自分のページに生かせない情報が増えてしまいます。たとえば、「冒頭の書き出しを知りたい」「リターンの並べ方を知りたい」など、一回の読みで一つのテーマに絞ります。

また、読むページは、自分の企画と近い分野から二つか三つ、さらに分野が違っても心が動いたページから一つを選びます。近い分野は参考にしやすく、違う分野は新しい発見につながります。選んだページは、公開中のものと、すでに終了したものの両方があるとより多くを学べます。

視点一:構成を見る(ページの流れ)

最初に、ページ全体の見出しの並びを見ます。どんな順番で、何が書かれているか。見出しだけを抜き出して、メモに書いてみると、構成の型が見えてきます。

  • 最初に何が書かれているか(想い、課題、目標のどれか)。
  • 資金の使い道、スケジュール、起案者の紹介は、どこに置かれているか。
  • 最後に何が書かれているか(呼びかけ、お礼、これからの約束など)。

物語としての構成は、「クラウドファンディングのページは物語で伝える」の記事で整理しています。読んだページの流れを、その型に当てはめて見ると、どこに工夫があるかが分かりやすくなります。

視点二:冒頭を見る(最初の画面)

次に、ページを開いたときに最初に見える部分を見ます。メイン画像、題名、キャッチコピー、最初の数行。ここで、何の企画かが伝わるかどうかが、読み続けてもらえるかどうかを決めます。

自分が最初に目にしたとき、どう感じたかも書き留めます。「分かりやすかった」「すぐに内容が浮かんだ」「もっと読みたいと思った」など。なぜそう感じたのか、題名の言葉か、写真か、書き出しの一文かを、具体的に探ってみましょう。題名の付け方は「タイトルとキャッチコピーの付け方」、ページ冒頭の内容は「ページ冒頭で伝える3つのこと」の記事が役立ちます。

視点三:リターンを見る(選びやすさ)

三つ目の視点は、リターンの見せ方です。金額の並べ方、名前のつけ方、説明の長さ、写真の使い方。自分が支援者になったつもりで、「どれを選びたいか」を考えてみます。

見る点メモの例
金額の段いくつの段があるか。最初の段は気軽に選べる金額か
名前名前から内容が伝わるか
説明何がもらえるか、すぐに分かるか
届く時期書かれているか、見つけやすいか

リターンの金額の考え方は、「リターン設計」の記事とあわせて読むと、整理しやすくなります。自分がワクワクしたリターンには、必ず理由があります。その理由を言葉にしておくと、自分のリターンを考えるときの軸になります。

視点四:報告を見る(公開中の発信)

四つ目は、公開中の活動報告です。報告が、どんな頻度で、どんな内容で書かれているかを見ます。支援者への感謝、進み具合、これからの予定。公開中の発信の様子は、そのプロジェクトが、支援者とどう向き合っているかを教えてくれます。

  • 報告の回数と間隔はどうか。
  • 写真や動画が使われているか。
  • 支援者への感謝の言葉が、どのように書かれているか。

活動報告の書き方は「活動報告を、公開中に3回書く」の記事に、型をまとめています。終了したページなら、終了後の報告まで読むと、「届けるまでの姿勢」が見えてきます。

視点五:文章の声を見る(誰が語っているか)

最後の視点は、文章の声です。ページを読んでいて、「この人は誠実だ」「温かい人だ」と感じる部分はどこか。言葉づかい、語り口、一文の長さ、数字の出し方などを見ていきます。

ここで大切なのは、「自分の声との違い」を知ることです。ほかのページの声は、その起案者の声です。それを真似ると、自分の言葉ではなくなります。「手紙のように書き直す」記事や、「質問に答えて自分の言葉で下書きをつくる」記事のように、自分の言葉で語るための工夫は、別にあります。文章の声は、学ぶものであり、写し取るものとは違います。

読んだページのメモ表

五つの視点を、一枚の表にまとめておくと、複数のページを見比べやすくなります。縦にページの名前、横に五つの視点を並べて、気づいたことを一言ずつ書き込みます。

ページ構成冒頭リターン報告文章の声
一つ目のページ見出しの流れを書く心が動いた点選びたかったもの回数と内容温かいと感じた言葉
二つ目のページ同上同上同上同上同上

表が埋まると、複数のページに共通する工夫と、そのページだけの個性が分かれて見えてきます。共通する工夫は、取り入れる価値のある型です。そのページだけの個性は、真似せず、自分だけの個性を考えるきっかけにします。読み終えたら、「自分のページにしかないものは何か」を、最後に一行で書いてみてください。それが、ページの芯になります。

読むときに気をつけたいこと

ほかのページを読むと、「自分には書けない」と感じて、気持ちが沈むことがあります。そんなときは、そのページの起案者も、最初は白紙から書き始めたことを思い出してください。完成したページは、何度も書き直された結果です。自分のページも、書き直しを重ねるうちに、少しずつ良くなっていきます。比べて落ち込むより、「一つだけ取り入れる」と決めて読むと、前向きに進められます。

学んだことを自分のページに移す手順

五つの視点でメモが取れたら、自分のページに移します。そのときは、次の手順で進めます。

  1. メモを見て、「心が動いた理由」を三つに絞る。
  2. その三つのうち、自分の企画に当てはまるものを選ぶ。
  3. 自分のページの下書きに、選んだ理由を当てはめて、書き直す。
  4. 書き直したページを、第三者に読んでもらい、感想をもらう。

メモに書いた内容は、そのまま書き写すのではなく、自分の企画の言葉に置き換えます。他のページの言い回しをそのまま使うことは避け、自分の経験と、自分の地域の事実から、書き起こしましょう。

実績のあるプロジェクトを参考にするのも一つの方法です。伊豆山の野外ステージのクラウドファンディングは、173人から1,000万円以上の応援が集まった事例で、実績ページはこちら(CAMPFIRE)でご覧いただけます。自分のページと見比べながら、五つの視点で読んでみてください。

クラウドファンディング支援では、ページの設計や文章づくりを、起案者の言葉で語れるように一緒に整えています。参考にしたいページがあるときも、ご相談ください。クラウドファンディング支援の公式ページのお問い合わせフォームまたはLINE(AtoNO Records)から、お気軽にご相談ください。

よくある質問

何ページくらい読めばよいですか?

近い分野から二、三ページ、分野の違うページから一つを、五つの視点で丁寧に読むのがおすすめです。数をたくさん読むより、一つずつメモを取りながら読むほうが身につきます。

参考にしたページと似てしまわないか心配です。

参考にするのは、構成や考え方の型です。自分の経験や地域の事実から文章を書き起こせば、自分のページになります。

終了したページと公開中のページでは、どちらが参考になりますか?

両方に学びがあります。終了したページは全体の流れと終了後の報告まで見られ、公開中のページは今の発信の様子が見られます。