終了後の進め方
クラウドファンディング終了後の振り返り会:次の挑戦につなげる六つの問い
終了の日は、ゴールであり、次の始まりでもあります。短い振り返り会を一度開くだけで、この挑戦で得たものが次に生きます。
結論から言うと、クラウドファンディングが終わったら、できれば一週間以内に、チームで一時間ほどの振り返り会を開いてみてください。やることは、うまくいったことを言葉にして、次に生かしたいことを三つほど決めるだけです。記憶が新しいうちに話すと、公開中のあれこれが生きた材料になります。
振り返りというと、反省や犯人探しを思い浮かべる人もいますが、ここで目指すのは反対です。この挑戦で見つかった強みと、次に試したい工夫を持ち帰る場にします。
なぜ終了直後に振り返るのか
公開中の毎日は、発信、返信、報告と慌ただしく過ぎていきます。終了後はほっとして、次の作業であるリターンの準備や活動報告に気持ちが移りがちです。そのままにしておくと、「あのとき何が効いたのか」「誰がどの発信を担当したのか」といった記憶が、数週間でぼやけてしまいます。
終了直後の振り返りには、次の三つの良さがあります。
- 記憶が新しいので、具体的な場面を思い出せる
- チーム全員の気持ちが、「やりきった」という高まりの中にある
- 支援者へのお礼や報告の中身に、そのまま生かせる
特に三つ目は大切です。振り返りで言葉になった「何が嬉しかったか」は、そのまま支援者へのお礼の文章の種になります。
始める前に用意するもの
難しい準備は要りません。次のものを机の上に並べて始めます。
| 用意するもの | 使い道 |
|---|---|
| 公開中の活動報告の一覧 | いつ何を伝えたかを時系列で確認する |
| SNSの投稿の記録 | 反応が大きかった投稿を探す |
| 支援者からのメッセージ | どんな言葉に心が動いたかを読み返す |
| 付箋と大きな紙 | 気づきを書き出して分類する |
| 公開前の計画メモ | 予定と実際の違いを見る |
オンラインで集まる場合は、共有できるメモ画面を一つ決めて、全員が同じ画面に書き込めるようにしておきます。
振り返り会で順に答える六つの問い
問いは、次の順番で進めると話が散らかりません。一つの問いに十分前後を使うつもりで、全員が一言ずつ話します。
- 一番うれしかった場面はどこか
- 始める前の想像と、実際で違ったことは何か
- 反応が大きかった発信と、その理由は何か
- もう少し早く準備しておけばよかったことは何か
- チームの中で助かった動きや、頼りになった人の役割は何か
- 次の挑戦に持っていきたいことを三つ挙げると何か
一つ目の問いから始めるのは、場の空気を前向きにするためです。うれしかった場面から話し始めると、続く問いにも前向きな言葉が出やすくなります。四つ目の問いは、反省の形ではなく「次はこうする」という言い方で書き留めます。たとえば「写真の準備が遅かった」ではなく、「次は最初の一か月で写真を撮りためる」と書きます。
進行役と時間の使い方
進行役は、その場で一番発言が多い人ではなく、聞き役が得意な人に頼むと進めやすくなります。起案者本人が進行すると、自分の話が長くなりがちです。進行役の仕事は、全員が一言ずつ話せるように順番を回すこと、そして話が反省会の雰囲気に傾いたら「では次はどうしましょうか」と前向きに戻すことです。
| 時間の配分 | 内容 |
|---|---|
| 最初の十分 | 資料を見ながら、公開中の流れを全員で思い出す |
| 次の三十分 | 六つの問いに順番に答える |
| 次の十五分 | 付箋をまとめて、三つに絞る |
| 最後の五分 | 担当と時期を確認し、お礼を言い合う |
話し方の約束を最初に決める
始める前に、三つの約束を口に出して確認します。人を責めないこと、事実と気持ちを分けて話すこと、出た意見はまず受け止めること。この三つがあるだけで、遠慮なく本音が出る場になります。たとえば「発信が少なかった」という意見が出たら、「その時期は何が大変だったのか」と理由を聞いてみます。理由が分かると、責める話が、次の工夫の話に変わります。
また、一人で挑戦した場合も、信頼できる友人や家族に聞き役を頼んで、同じ問いに答えてみるのがおすすめです。声に出して話すと、自分でも気づいていなかった強みが見えてきます。
気づきを三つに絞り、担当と時期をつける
付箋がたくさん並んだら、似た内容をまとめて見出しをつけます。多くのチームで、気づきは「準備の仕方」「発信の仕方」「チームの動き方」の三つのどれかに分かれます。分けたあとは、次の挑戦に持っていくものを三つだけ選びます。たくさん決めても、実際に動けるのはその程度だからです。
選んだ三つには、次の二つを必ず付けます。
- 担当:誰が覚えておく係になるか
- 時期:いつ、次に見直すか
担当と時期が付いていない気づきは、数か月後には忘れられます。付けておけば、次に企画を考えるときに、自然と手元に戻ってきます。
答えの書き方の例
問いに答えるときは、「何を」「なぜ」の二つをセットで書くと、あとで読み返したときに役立ちます。
- うれしかった場面:公開の最初の日に、思いがけない知り合いから応援のメッセージが届いた。普段あまり話さない人にも、活動が届いていたと分かった
- 想像と違ったこと:写真つきの投稿のほうが、文章だけの投稿よりも多く読まれた。次は撮影の時間を先に確保したい
- 助かった役割:返信の担当を決めていたので、支援者の質問にその日のうちに答えられた
こうした具体的な一文が積み重なると、次の企画の設計図になります。ここに書いた内容は、支援者への報告にも、次の準備メモにも、そのまま使えます。
記録を一枚にまとめて残す
振り返り会の最後に、記録を一枚の紙にまとめます。長い報告書にする必要はありません。次のような項目があれば十分です。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| この挑戦で得たもの | 集まった応援、広がった人のつながり、生まれた作品や場所 |
| うまくいった動き | 反応が大きかった発信、頼りになった準備 |
| 次に試したい工夫 | 三つに絞った項目と、担当・時期 |
| 支援者に伝えたい言葉 | お礼の文章の種になる、率直な気持ち |
この一枚は、チームの共有フォルダなど、誰でも開ける場所に置きます。次に誰かが新しい企画を考えるとき、最初にこの一枚を開けば、ゼロからのスタートになりません。
支援者への報告と、次の関係づくりにつなげる
振り返りで見えた「うれしかった場面」は、活動報告やお礼のメッセージにそのまま使えます。支援者は、数字の結果だけでなく、その裏にあったチームの喜びを知りたいと思っています。「皆さんの応援のおかげで、こんな場面がありました」と具体的に書くと、気持ちがまっすぐに伝わります。
そして、次にやりたいことが見えているなら、小さく予告をします。「次は、こんなことに挑戦したいと考えています」と一行添えるだけで、応援してくれた人が次の挑戦を待ってくれる関係が育ちます。もちろん、まだ決まっていない段階で大きな約束をする必要はありません。決まったことだけを、決まった時点で伝えれば十分です。
クラウドファンディング支援では、公開前の準備から公開中の発信、終了後の報告まで、起案者の方と一緒に進めています。終了後の振り返りや、次の企画の整理から相談したいという方も、気軽にお声がけください。
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