リターン設計

「応援だけしたい」人のための入口をつくる:品物を受け取らない支援コースの考え方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

品物はいらないけれど、挑戦を応援したい。そんな人が気軽に参加できる入口を、ページの中にどうつくるか。名前、説明文、お礼の形を整理しました。

「品物はいらないから、応援だけしたい」という人のために、リターンを受け取らない支援コースを一つ用意しておくと、ページの入口がぐっと広がります。コースの名前を「応援」の気持ちが伝わる言葉にし、受け取れるお礼の内容を一文で示せば、迷わず選んでもらえます。発送の手間が増えない点も、起案者にとって心強い味方です。

この記事では、このコースを用意する理由、名前と説明文の書き方、お礼の返し方、他のコースとの並べ方を順番に紹介します。

応援だけのコースが入口になる理由

支援を考えている人の気持ちは、人それぞれに違います。品物や体験がほしい人もいれば、企画の想いに共感して「届けてほしい」と願う人もいます。後者の人にとって、使い道のない品物を受け取るのは、少し申し訳なく感じることもあります。

応援だけのコースがあると、次のような場面で役に立ちます。

  • 離れて暮らす家族や出身者が、荷物の受け取りを気にせず参加できる
  • すでに同じ品を持っている常連さんが、気持ちだけを託せる
  • 活動を応援したい会社や団体が、個人名義の贈り物にならない形で参加できる
  • 起案者側は、制作や梱包、送り状の準備が増えない

リターンの金額帯を考えるときは、入口・中心・特別の三段で並べる方法があります。応援だけのコースは、その入口の一番手前に置く役目を持ちます。

コースの名前は「何がもらえるか」より「何を応援するか」

名前は、ページを眺める人が最初に目にする部分です。品物の名前ではなく、応援の対象や気持ちを込めた名前にすると、選ぶ理由が伝わります。

企画の種類名前の例伝わること
音楽・舞台拍手で応援コース出演者を励ます気持ち
お店・宿の開業開店を見守るコース場所の誕生を一緒に見届ける気持ち
教室・学び子どもたちの学びを応援コース未来への期待
まちづくりまちの未来への一票コース地域に関わる実感

名前は短く、読み上げやすい言葉にします。ページの画面でもSNSの投稿でも、そのまま使える長さが目安です。「寄付」「カンパ」のような言葉は、人によって受け取る印象が違うので、企画の雰囲気に合う「応援」「見守る」「一票」といった言葉から選ぶと、柔らかく伝わります。

説明文に入れる三つのこと

説明文は、短くても必要なことが揃っていると安心して選んでもらえます。次の三つを、順番に一文ずつ書きましょう。

  1. 何を応援するコースか:「このコースは、品物のお届けのない、気持ちでの応援です」と、はっきり書く
  2. どんなお礼が届くか:お礼のメッセージ、活動報告の閲覧、ページへの名前の掲載など、届くものを具体的に
  3. お金が何に使われるか:集まった支援が、資金の使い道のどこに役立つか

説明文の例の骨組み

「品物のお届けはありませんが、挑戦を見守ってくださる気持ちを、そのまま力に変えるコースです。いただいた応援は、〇〇の準備に大切に使わせていただきます。完成の報告は、活動報告でお知らせします。」

〇〇には、資金の使い道のページに書いた項目を入れます。文章が長くなりそうなときは、ページ本文に詳しく書き、コースの欄には要点だけを置きます。読む人が迷うのは、「この金額で何が起きるのか」が見えないときだからです。

ページの冒頭でも一言ふれておく

コースの欄まで読み進める人ばかりとは限りません。ページの冒頭や「応援のしかた」の説明に、「品物がなくても、気持ちだけで参加できるコースがあります」と一行添えておくと、迷っている人の背中を押せます。SNSの投稿でも同じ一行を使うと、案内の言葉がそろって覚えてもらいやすくなります。

書くときは、「選んでいただけたらうれしい」という前向きな言い方にそろえます。応援の入口が広いことは、企画の懐の深さとして伝わります。

お礼は「届く言葉」で返す

品物が無いコースだからこそ、お礼の気持ちを丁寧に届けます。手間の少ない順に、三つの形を考えられます。

お礼の形内容準備すること
メッセージ支援の直後や終了後に、感謝の言葉を送るお礼状の文面を公開前に用意しておく
活動報告支援者が読める場所に、進み具合を知らせる活動報告を書く日を決めておく
名前の掲載希望した人の名前を、完成の報告などに載せる掲載してよいかを、先に聞いておく

お礼状は、公開前に文面を書いておくと、公開中の負担が軽くなります。名前を載せる場合は、お名前の聞き方や載せ方を先に決めておきます。載せたくない人のための選択肢もあわせて用意すると、気持ちよく参加してもらえます。

活動報告は、公開後1週間、半分の時点、最後の1週間の3回が書きやすい型です。応援だけのコースを選んだ人も、同じ報告を読めるので、挑戦の続きを一緒に見守れます。

他のコースとの並べ方と、金額帯の考え方

ページに並べる順番は、小さな入口から特別なものへが基本です。応援だけのコースは、最初に置きます。そのあとに、お礼状や活動報告つきのコース、品物や体験のコース、特別な体験のコースと続けます。

金額は、他のコースと比べて「選びやすい」と感じられる高さに置きます。ただし、金額だけで決めるのではなく、資金の使い道との関係を考えます。たとえば、使い道の項目のうち、ひとつを選んで「この項目の一部に使います」と書くと、応援の行き先が見えます。

  • 応援だけのコースの説明に、品物のコースとの違いを一文で添える
  • 各コースの欄で、お届けの有無が一目で分かるようにする
  • 支援を決めた人が、あとから「これでよかった」と感じる説明にする

数量に上限があるコースを作るときは、届けられる数から逆算して決めます。応援だけのコースは発送を伴わないので、数量を気にせず用意できる点も特長です。

見落としたくない二つの注意

応援だけのコースには、起案者の側で押さえておきたい点が二つあります。

一つは、「お礼の内容を、約束した範囲で確実に届ける」ことです。メッセージや活動報告は、小さな約束です。書くと決めた回数と時期は、スケジュールに入れて守りましょう。もう一つは、「応援の気持ちを数字だけで見ない」ことです。コースの人数が少なくても、その一人ひとりの言葉や拡散が、ほかの人の背中を押すことがあります。

公開中は、応援のコメントに短くても返事を書くと続けやすくなります。気持ちを寄せてくれた人に、気持ちで返す。その積み重ねが、終了後の関係にもつながります。

コースの設計を一緒に考えます

クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いで、起案者が自分の言葉で語れるように準備を進めています。リターンの設計では、体験や地域の品などを、届けられる形に整理していきます。

流れは、ご相談→設計→準備→公開・伴走→報告です。準備は公開したい日の90日前から始めるのが目安で、料金はプロジェクトごとにご相談のうえお見積りです。お問い合わせフォームやLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国どこからでもご相談いただけます。まずはクラウドファンディング支援のトップページをご覧ください。

よくある質問

応援だけのコースは、必ず用意したほうがよいですか。

企画によって向き不向きがあります。遠方の出身者や常連さんなど、気持ちで参加したい人が見込めるなら、用意すると入口が広がります。

名前の掲載もないコースでも、選んでもらえますか。

何を応援するコースかと、届くお礼の言葉が明確なら、選ぶ理由は伝わります。メッセージと活動報告は、小さくても大切なお礼になります。

コースの金額は、どう決めればよいですか。

他のコースと並べたときに、入口として選びやすい高さを目安にします。資金の使い道との関係も、説明文に添えましょう。