動画づくり
音が出せない場所でも伝わる動画に:字幕と冒頭三秒の整え方
動画は、音が出せない場所で見られることも多いものです。字幕と冒頭の見せ方を整えて、音なしでも想いが伝わる動画にしましょう。
クラウドファンディングの紹介動画は、字幕を入れて、冒頭の数秒で内容が分かるようにしておくと、音を出せない場所で見る人にも届きます。電車の中、職場の休憩時間、家族が寝ている部屋など、スマホで動画を見る場面は、音を出せないことも多いからです。字幕は、聞こえにくい方や、音声が小さな環境の方にも役立つ、やさしい工夫です。この記事では、字幕の入れ方、冒頭の見せ方、音楽との組み合わせ、公開前の確認の仕方を順にご紹介します。
音なしで見られる場面を想像する
動画が、イヤホンやスピーカーで聞かれる場面ばかりとは限りません。ページを開いた場所によっては、音が出せない場合も多くあります。そうした場面で動画が再生されたとき、音声がないと内容が分からない動画は、最後まで見てもらえません。
一方で、字幕と映像だけで、「何をする企画か」「誰がやるのか」が伝わる動画は、音が出せない場面でも、最後まで見てもらいやすくなります。そして、あとから音を出して見直したとき、声や音楽が加わって、さらに想いが深く伝わります。
音声を主役にしながら、音がなくても成り立つ。この二段構えが、動画づくりの基本の考え方です。紹介動画の台本の組み立ては、「紹介動画:一分半の台本の組み立て方」の記事で詳しく整理しています。ここでは、その台本に字幕を重ねる段階を扱います。
字幕に入れる言葉の選び方
字幕は、話している言葉を全部そのまま書き起こす必要はありません。読む時間が足りなくなるからです。大切な言葉を選んで、短くして、画面に出します。
字幕づくりの手順
- 台本の話し言葉を、一文ずつ読み返す。
- 一文を、画面に収まる長さに短くする。目安は、一画面に二行まで、一行はスマホで一目で読める長さ。
- 言葉の区切りは、意味のまとまりごとにそろえる。途中で切れると、読みにくくなる。
- 固有名詞(人・場所・団体の名前)は、表記を統一する。
難しい言葉や専門用語は、やさしい言い換えを字幕にします。「クラウドファンディングの言葉をやさしく言い換える」の記事の考え方が、そのまま使えます。初めてクラウドファンディングを知る人にも伝わる言葉を選ぶことが、字幕の質を決めます。
字幕の見た目:読みやすさのポイント
字幕は、内容だけでなく、見た目も大切です。小さな画面で、短い時間のうちに読めることを目標にします。
| 項目 | 整え方 |
|---|---|
| 文字の大きさ | スマホの小さな画面でも読める大きさ。パソコンで作った場合も、スマホで確認する |
| 色と背景 | 背景の映像と区別できる色。文字に縁取りや薄い帯をつけると、背景が変わっても読みやすい |
| 位置 | 画面の下の方が基本。人物の顔や、見せたいものに重ならない位置 |
| 表示の長さ | 読み終える時間をとる。短い文は短く、長い文は少し長めに |
| 書体 | 画数が少なく、はっきりした書体。装飾の強いものは避ける |
表示の長さは、実際に声に出して読んでみると、ちょうどよい長さが分かります。自分が読み終えるより少しゆっくりめにすると、初めて見る人にも、無理なく読んでもらえます。
台本から字幕へ:書き換えの実例
話し言葉を字幕に整える作業は、例を見ると分かりやすくなります。次の表は、台本の一文を、字幕に書き換える流れの例です。
| 台本の話し言葉 | 字幕にした形 | 整えたこと |
|---|---|---|
| 私たちは、地域の子どもから大人までが集まれる、野外のステージをつくりたいと考えています | 子どもから大人まで集まれる/野外のステージをつくりたい | 二画面に分け、主語を省いて短く |
| そのために、みなさんの力を貸してほしいんです | みなさんの応援を、力にしたい | お願いの形を、前向きな言葉に |
| 完成したら、ぜひ見に来てください | 完成の日に、ぜひ遊びに来てください | 「いつ」を足して、イメージしやすく |
字幕にするときは、一文を二つの画面に分けて、リズムをつくると読みやすくなります。声のテンポと、文字が現れるタイミングを合わせると、映像と字幕が一体になり、内容が頭に入りやすくなります。
書き換えた字幕は、起案者本人が声に出して読み、不自然な言い回しがないかを確かめます。話している人の言葉づかいと、字幕の言葉づかいが違うと、見る人は違和感を覚えるからです。自分の言葉に戻して、読みやすさと自然さの両方を整えましょう。
冒頭の数秒で、何の企画かを伝える
動画の冒頭は、見続けてもらえるかどうかが決まる、いちばん大切な場面です。音がなくても伝わるように、最初の画面に「何の企画か」を文字で示しましょう。
- 最初の画面に、企画の名前や、一言のキャッチコピーを文字で出す。
- 起案者の顔が見える映像を使う。顔が見えると、人の挑戦であることが伝わる。
- 実際に完成させたいものや場所の映像を、早い段階で見せる。
ページの冒頭で伝える内容と、動画の冒頭は、そろえておくと分かりやすくなります。ページの書き方は、「ページ冒頭で伝える3つのこと」の記事に整理しています。ページを開いた人が、動画でも同じ内容を重ねて受け取れる形が理想です。
音楽・声・字幕の三つを組み合わせる
字幕があると、動画の音の使い方にも、自由度が出ます。声が主役の場面では、音楽の音量を下げて、声と字幕で内容を伝えます。一方、映像を見せたい場面では、音楽を主役にして、字幕は短く控えめにします。
動画に使う音楽の選び方は、「クラウドファンディングの動画に使う音楽の選び方」の記事で整理しています。場面ごとに、「今は声を聞かせる場面か、映像を見せる場面か」を決めておくと、音楽と字幕の役割分担がしやすくなります。
さらに、動画の最後には、字幕で「応援のお願い」と「ページで見られる内容」を示します。たとえば、「くわしくはページをご覧ください」と画面に出して、見終わった人が、次に何をすればよいかを分かるようにしておきます。
字幕を入れる作業は、動画編集の最後ではなく、台本ができた段階から考えておくと、スムーズです。話す速さや、間のとり方を、字幕が読める速さに合わせて調整できるからです。たとえば、大切な一言のあとに、一拍の間をおくと、字幕を読み終える時間が生まれ、声の余韻も残ります。
公開前に確認する三つの方法
字幕入りの動画は、公開前に、いくつかの環境で確認します。
- 音を消して、最初から最後まで見る。字幕だけで、企画の内容が分かるかを確かめる。
- スマホの画面で見る。字幕の文字の大きさと位置を確かめる。
- 起案者以外の人に見てもらう。誤字や、分かりにくい言葉を教えてもらう。
誤字の確認は、公開前の最終チェックと同じ視点で行います。人の名前や団体名は、特に丁寧に見ましょう。動画の撮影当日の段取りは、「動画撮影当日の段取り」の記事に整理されています。撮影の段階で、字幕を入れる場所に余白をつくる構図を意識しておくと、編集が楽になります。
クラウドファンディング支援では、物語と動画・音楽の組み立てを、起案者と一緒に考えています。動画の台本や字幕の整え方に迷ったら、クラウドファンディング支援の公式ページのお問い合わせフォームまたはLINE(AtoNO Records)から、お気軽にご相談ください。
よくある質問
字幕は自動で作れるものを使ってもよいですか?
自動で作られた字幕は、そのまま使わず、誤字や人名・団体名の表記を必ず見直してから使うと安心です。
動画の長さはどのくらいがよいですか?
一分半ほどの紹介動画から始めると、台本を組み立てやすくなります。くわしい内容は、ページ本文に任せて、動画は「何をしたいか」に絞ると伝わります。
字幕の言葉が多すぎるときはどうしますか?
一画面に二行までを目安に、大切な言葉を残して短くします。伝えたいことが多いときは、動画の場面を分けて、字幕を複数の画面に分散します。