ページの文章
「日本一」「絶対」を使う前に:ページの言葉を具体的な事実に置き換える確認表
力が入るほど、言葉は大きくなりがちです。大げさな言い切りを、確かめられる事実と具体的な場面に置き換えると、ページは信頼されて読まれます。
ページの言葉は、「日本一」「絶対」「誰もが」のような大きな言い切りを、確かめられる事実と具体的な場面に置き換えると、ぐっと信頼されるようになります。置き換えの手順は、言い切りを見つける、根拠を探す、場面を書く、の三つ。この記事では、置き換えの型と、公開前に使える確認表を紹介します。
想いが強い人ほど、言葉も強くなるものです。その気持ちを消すのではなく、読む人が「本当なんだ」と感じられる形に整えていきましょう。
大きな言い切りが、伝わりにくい理由
「地域で一番の」「絶対に成功させます」「誰もが喜ぶ」といった言葉は、書く人の熱意の表れです。ところが、初めてページを読む人にとっては、その根拠が見えないため、どう受け止めてよいか分からない言葉になります。
読む人が立ち止まる言葉には、次のような特徴があります。
- 最上級:一番、日本一、最高、唯一。比べた相手と基準が書かれていない
- 断定:絶対、必ず、間違いなく。先のことは誰にも言い切れない
- 範囲が広すぎる言葉:誰もが、みんな、全員。実際の人数が見えない
- 量の曖昧な言葉:たくさん、多くの、大勢。どのくらいかが分からない
- 評価だけの言葉:素晴らしい、感動的、画期的。何がそうなのかが書かれていない
これらは、どれも気持ちのこもった言葉です。ただ、言葉だけが先に立つと、せっかくの想いが薄まってしまいます。事実や場面の力を借りると、同じ気持ちがより深く届きます。
置き換えの三つの型
言い切りの言葉は、次の三つの型で置き換えられます。
型1:基準を添える
最上級の言葉には、何と比べてどういう点なのかを添えます。「地域で一番の演奏会」ではなく、「この町で毎年続けてきた、世代をまたいで出演者が集まる演奏会」のように、特徴そのものを書きます。基準が見えると、読む人は納得して、続きを読んでくれます。
型2:事実と数字を示す
量の曖昧な言葉には、確かめられる数字を使います。「たくさんの人が通った」は、「開校から今までに通ってくれた生徒さんの名簿」のように、年数や回数、人数など、記録で確かめられる事実に直します。数字は、手元の記録、名簿、写真の日付などから確認したものだけを使います。確認できない数字は、無理に書かなくて構いません。
型3:場面で見せる
評価だけの言葉には、その評価が生まれた場面を添えます。「感動的な舞台」ではなく、「最後の曲で、客席の全員が自然に手拍子を始めた舞台」のように、見えた光景を書きます。場面は、読む人の頭の中に絵を描いてくれます。
| 元の言葉 | 置き換えの型 | 置き換えた例 |
|---|---|---|
| 地域で一番の教室 | 基準を添える | 卒業生が先生になって戻ってくる、続けて通える教室 |
| 絶対に完成させます | 事実と段取りを示す | 完成までの工程を表にして、次の日程を公開します |
| 誰もが楽しめるイベント | 対象を具体的にする | 子どもから年配の方まで、座ったまま楽しめるプログラムです |
| たくさんの応援をいただきました | 事実と数字を示す | これまでに、お店の常連さんから署名が届いています(人数は記録で確かめて書く) |
| 感動の舞台 | 場面で見せる | 最後の曲で、客席から自然に手拍子が起こりました |
公開前に使える確認表
ページの下書きができたら、次の確認表で一つずつ見直します。自分で読み返すだけでなく、第三者に読んでもらう際のチェック項目としても使えます。
| 確認する項目 | 見つけたときの直し方 |
|---|---|
| 最上級の言葉(一番・最高・日本一)はあるか | 基準と特徴を書く。基準が示せなければ言葉を落とす |
| 断定の言葉(絶対・必ず)はあるか | 約束できること(日程・報告の回数)に置き換える |
| 範囲の広い言葉(誰もが・みんな)はあるか | 具体的な対象(年代・場面)に絞る |
| 量の曖昧な言葉(たくさん・多くの)はあるか | 記録で確かめた数字や、期間に置き換える |
| 評価だけの言葉(素晴らしい・感動的)はあるか | その評価が生まれた場面を一文で書く |
| 実績の数字に出どころがあるか | 掲載先のページなど、確かめられる出典をそろえる |
実績の書き方は、出典をそろえることが基本です。たとえば、伊豆山の野外ステージのクラウドファンディングは、CAMPFIREで2023年の秋から年末まで実施され、173人から1,000万円以上の支援が集まりました。このように、期間・人数・金額・掲載先が一緒に書かれていると、読む人は安心して受け取れます。
音読と第三者の目で仕上げる
置き換えのあとは、声に出して読み、引っかかる所を探します。大げさな言葉は、声に出すと不自然に聞こえて気づきやすいものです。
次に、企画を知らない人に一度読んでもらいます。聞くのは、次の三つです。
- 読んでいて、「本当かな」と感じた所はどこか
- どんな場面を思い浮かべたか
- 何をしたい企画だと理解したか
「本当かな」と感じた所は、置き換えのいちばんの候補です。反対に、具体的な場面を思い浮かべてもらえた所は、そのまま大切に残しましょう。
人の言葉を載せるときの整え方
応援コメントや、お客様・生徒さんの言葉をページに載せるときも、言葉の確かめ方は同じです。次の三つを守ると、安心して読んでもらえます。
- ご本人に確かめる:載せる言葉と、お名前の出し方(実名・イニシャル・お名前なし)を、事前に聞く
- 言葉を変えない:読みやすくするための誤字の修正以外は、いただいた言葉のまま載せる
- 場面を添える:「いつ、どんな関わりの方か」を一行添えると、言葉に説得力が生まれる
自分で書く言葉と同じように、人の言葉も、場面と一緒に載せることで、ページ全体が事実の積み重ねとして読まれます。
反対に、起案者自身の経歴や取り組みを書くときは、「いつから、何を、どのくらい続けてきたか」を、年や回数で書きます。年数と活動の中身が並んでいれば、評価の言葉を足さなくても、積み重ねの重みは伝わります。
熱い想いは、そのまま残してよい
ここまで読んで、「想いを抑えなければいけないのか」と感じた方もいるかもしれません。そんなことはありません。想いの言葉は、起案者の声そのものです。ページの冒頭や結びでは、「どうしても続けたい」「この場所を残したい」といった気持ちを、自分の言葉で素直に書いてください。
置き換えるのは、事実のように聞こえる大きな言葉だけです。想いは想いとして、事実は事実として書き分ける。この二つが並ぶと、読む人は「この人の言葉は信じられる」と感じてくれます。
言葉の整え方を一緒に考えます
クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いで、起案者が自分の言葉で語れるよう、一緒に文章をつくっています。代行ではなく伴走なので、ページの公開や支援金の受け取りは、起案者本人(団体)の名義で進みます。
流れは、ご相談→設計→準備→公開・伴走→報告です。準備は公開したい日の90日前から始めるのが目安で、料金はプロジェクトごとに相談のうえお見積りします。お問い合わせフォームやLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国どこからでもご相談いただけます。まずはクラウドファンディング支援のトップページをご覧ください。
よくある質問
最上級の言葉は、全部やめたほうがよいですか。
基準と根拠を示せるものは、使って構いません。示せないものは、特徴そのものを具体的に書くと、同じ魅力がより伝わります。
数字が思い出せないときは、どうすればよいですか。
記録、名簿、写真の日付などで確かめます。確かめられないときは、数字を使わず、期間や場面で表現しましょう。
想いを書くとどうしても長くなります。
想いは冒頭と結びに集め、途中は事実と場面を中心に書くと、読みやすくなります。