起案者紹介

クラウドファンディングの起案者紹介:自己紹介文の書き方と構成

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

クラウドファンディングで応援されるのは、挑戦と、それを担う人です。起案者紹介の構成と書く順番を、個人でも団体でも使える形で紹介します。

クラウドファンディングの起案者紹介は、「これまで何をしてきたか」「なぜこの挑戦なのか」「どんな人たちが動いているか」の三点を、短く具体的に書くと、応援する安心感が生まれます。支援する人は、お金を預ける相手がどんな人なのかを見ています。この記事では、起案者紹介に入れる五つの要素と、書く順番、団体の場合の工夫、見直しの方法を紹介します。

起案者紹介が果たす役目

ページの前半に挑戦の中身を書いても、読み手の頭の中には、まだ一つの疑問が残っています。「この人たちは、本当にやり遂げてくれるのだろうか」という疑問です。起案者紹介は、その疑問に応える場所です。肩書きや経歴を並べることが目的ではなく、これまでの歩みを通して、挑戦を任せられる人たちだと伝えることが目的です。

伊豆山の野外ステージづくりのクラウドファンディングは、CAMPFIREで173人から1,000万円以上の応援を受け、CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年1位になりました。この実績は、人が人を応援するという、クラウドファンディングの基本を表しています。

入れたい五つの要素

起案者紹介に入れる要素は、次の五つです。すべてを長く書く必要はなく、一つあたり二、三文で十分です。

要素書く内容読み手が得る安心
名前と立場名前、団体名、活動している場所誰が呼びかけているか分かる
これまでの歩み始めた時期、続けてきた活動、積み重ねた場面急に始めたことではないと分かる
挑戦の動機なぜ今、なぜ自分たちなのか思いの強さが伝わる
仲間と役割誰が何を担当するのか実行する体制が見える
これからの約束支援をいただいた後に何を報告するか最後まで見届けてくれると感じる

とくに「これまでの歩み」は、事実で書くと説得力が増します。年数、活動の回数、続けてきた場所など、数えられるものを選びます。ここで大切なのは、実際にあったことだけを書くことです。大きく見せようとせず、ありのままの歩みを丁寧に並べるほうが、信頼につながります。

書く順番:過去、現在、未来の流れにする

五つの要素は、時間の流れに沿って並べると、読みやすくなります。

  1. 現在:今の自分たちが何をしているかを一文で
  2. 過去:そこに至るまでの歩みと、挑戦のきっかけ
  3. 仲間:一緒に動く人たちの紹介
  4. 未来:支援をいただいたら何を実現し、どう報告するか

冒頭に「現在」を置くのは、読み手がまず「今、何をしている人か」を知りたいからです。「地域の合唱団を主宰しています」「小さな喫茶店を営んでいます」といった一文から始めると、すぐに全体像が伝わります。そのあとで過去に戻って、なぜ今の活動に至ったのかを語ります。

書き出しの文の例

最初の一文は、紹介文の印象を決めます。次の組み立てが使いやすい型です。

立場書き出しの型文の形
地域の団体場所+活動+続けた年数〇〇町で、子どもたちと一緒に歌う会を続けています
お店・宿場所+何を営むか+思い〇〇で、旅人が気軽に立ち寄れる小さな宿を準備しています
つくり手つくるもの+これまで+これからこれまで〇〇をつくってきた私が、初めての〇〇に挑みます

型に当てはめたあとで、自分たちの言葉に直します。〇〇の部分に、実際の地名や活動の名前を入れると、ほかの誰にも書けない一文になります。

これまでの歩みを年表にして取り出す

歩みを書くときに迷ったら、まず簡単な年表をつくります。活動を始めた年、節目になった出来事、仲間が増えた時期、続けてきた催しを、年ごとに書き出します。書き出した中から、挑戦につながる出来事を三つだけ選びます。選んだ三つを文章に直すと、無駄のない歩みの紹介になります。選ばなかった出来事は、公開中の活動報告やSNSの投稿で少しずつ伝えられます。

年表をつくる作業は、団体の仲間と一緒に行うと、思いがけない思い出話が出てきます。それがそのまま、紹介文の中の温かい一場面になります。仲間と語り合う時間が、挑戦への気持ちを一つにまとめる機会にもなります。

個人の紹介と団体の紹介の違い

個人の場合は、人柄が見える一場面を入れる

個人の起案者は、人柄が伝わる一場面があると、距離が縮まります。始めたきっかけの出来事、いちばん嬉しかった瞬間、忘れられない言葉など、実際に体験した場面を一つだけ選びます。長い経歴を並べるより、一場面を丁寧に書くほうが、記憶に残ります。

団体の場合は、顔が見える人を前に出す

団体の場合は、組織の説明が長くなりがちです。設立の年や会員数だけでなく、実際に活動している人の顔と声を載せると、温かみが加わります。代表者の言葉、メンバーの一言、活動の写真を組み合わせます。団体の中で、ページの発信を担う人を決めておくと、文章に一貫した語り口が生まれます。

これからの約束を、具体的に書く

紹介文の終わりには、支援をいただいたあとの約束を書きます。約束といっても、大げさな言葉は必要ありません。「公開中は活動報告を定期的に書きます」「終了後には、完成した様子をお伝えします」「リターンは、お知らせした時期にお届けします」といった、実行できる具体的な行動を並べます。

報告を約束することは、支援者との関係を長く続ける第一歩です。クラウドファンディングが終わったあとも、完成した場所に招く、次の催しを案内するなど、つながりが続いていきます。約束を書くとき、自分たちが無理なく守れる範囲を考えると、実際に守れて、信頼が深まります。終了後の報告の進め方は「クラウドファンディングが終わったあとに」の記事で紹介しています。

見直しのチェック表

書き上げたら、次の項目で見直します。

  • 最初の一文で、何をしている人たち(団体)か分かるか
  • 事実だけで書かれており、実際にあったことと一致しているか
  • 挑戦の動機が、自分の言葉で語られているか
  • 仲間の名前や役割が、読み手に見えるか
  • 写真が一枚以上添えられ、人の表情が見えるか
  • 読み終えたときに、「この人たちを応援したい」と感じられるか

書き終えたら、一度声に出して読んでみてください。言い回しの硬さや、長すぎる文に気づけます。見直しは、挑戦の事情を知らない身近な人に読んでもらうと効果的です。「どんな人たちだと思った?」と尋ね、返ってきた言葉が自分たちの思いと合っていれば、紹介文は役目を果たしています。

起案者紹介の文章も、一緒に整えます

CROWDFUNDING SUPPORTでは、プロジェクト設計から、物語、写真、動画と音楽、リターン、公開中の発信まで、伴走して支えています。起案者紹介の文章も、これまでの歩みをうかがいながら、言葉にしていくお手伝いをします。自分では当たり前に思っている日々の活動が、読み手にとっては魅力の材料になることがよくあります。

ページの公開と支援金の受け取りは、起案者ご本人(団体)の名義で行います。私たちは言葉と段取りの面から寄り添います。オンラインで全国からご相談いただけます。

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