まちづくりの進め方

まちづくりのクラウドファンディングで、地域の理解と応援を広げる進め方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

まちづくりの応援は、地域の中の理解と、外からの共感が重なって広がります。公開前の対話から報告まで、順番に紹介します。

まちづくりのクラウドファンディングで応援を広げるには、公開前に地域の人と話す時間をつくり、地域の中の理解と、外から届く共感の両方を育てることが近道です。場所や催しは、その土地に暮らす人の気持ちとつながって初めて続いていきます。この記事では、地域の団体が挑戦を始めるときの対話の進め方、地域内外への伝え方、報告の続け方を順に紹介します。

クラウドファンディング支援は、地域のまちづくりを対象分野の一つにしています。伊豆山の野外ステージづくりでは、CAMPFIREで2023年10月13日から12月31日にかけて、173人から1,000万円以上の応援が集まり、CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年で1位になりました。その経験をもとに、進め方を整理します。

公開前に、地域の人と話す

地域の挑戦は、誰かが突然始めたものに見えると、距離を感じる人も出てきます。早い段階から相談を重ねるほど、「私たちの企画」と感じてもらえます。

相談の場には、企画に賛成の人だけでなく、慎重な考えの人も招くと、計画が磨かれます。

ページを公開する前に、地域の人と顔を合わせて話す時間をつくります。話す相手は、近隣の住民、同じ地域で活動する団体、お店や施設の人など、その企画に関わる人たちです。

話す相手聞きたいこと伝えたいこと
近隣の住民その場所への思い、気になること何をするのか、いつ頃かの見通し
地域で活動する団体協力できること、重なる活動一緒に参加できる入口
お店や施設の人お客さんの様子、地域の変化企画が地域にもたらす景色
これまでの利用者や参加者印象に残っている場面応援のお願いと、完成後の招待

対話の目的は、同意を取りつけることに限らず、地域の声を集めることにもあります。聞き取った言葉は、ページに載せる物語の材料にもなります。「この場所は、子どもの頃の遊び場だった」といった声は、地域の外の人にも伝わる場面になります。

小さな説明の集まりを開く

個別の対話に加えて、公開前に小さな説明の集まりを開くと、地域の理解が一度に深まります。大きな会場は必要ありません。団体の集会所や、お店の一角など、顔の見える広さで十分です。

  1. はじめの挨拶:集まってくれたことへの感謝と、この集まりの目的を伝える。
  2. これまでの活動の紹介:写真を見せながら、地域でどんなことをしてきたかを話す。
  3. やりたいことの説明:完成後の姿と、始める理由を、場面で語る。
  4. 質問と意見の時間:心配な点や、アイデアを自由に話してもらう。
  5. これからの予定の共有:公開の時期と、手伝いたい人の連絡先を伝える。

集まりで出た意見は、必ず記録し、ページや計画に生かせる点は反映します。反映した内容は、「みなさんの声から、ここを変えました」と報告すると、地域の人は自分の言葉が活きていると実感できます。

出席できなかった人のために、集まりの内容を短い文章と写真にまとめ、掲示や団体のお知らせで共有します。参加の機会を、できるだけ多くの人に開いておく姿勢が、地域全体の応援につながります。

地域の中に向けた伝え方

地域の中の人には、顔が見える伝え方が合います。ネットに慣れていない人にも届くよう、複数の手段を組み合わせます。

  • 紙で伝える:チラシや掲示を、お店や集会所に置き、ページのリンクを分かりやすく載せる。
  • 口頭で伝える:団体の集まりやイベントで、挑戦のことを直接話す。
  • 人づてに伝える:地域で顔が広い人に、紹介をお願いする。
  • 参加の入口をつくる:見学や、準備を手伝う機会を設ける。

ネットでの支援が難しい人には、ページの見方を一緒に確認したり、応援の気持ちを別の形で受け取る方法を考えたりします。どんな形でも、応援の気持ちを丁寧に受け止める姿勢が、地域の信頼につながります。

地域の外に向けた伝え方

地域の外の人には、その土地の魅力と、挑戦の理由が伝わる言葉と写真が必要です。

  1. 場所の写真を入れる:今の景色と、完成後の姿のイメージを並べて見せる。
  2. 人の顔を見せる:関わる人と、その思いを紹介する。
  3. その土地ならではの話を書く:歴史や暮らし、季節の風景など、読む人が行ってみたくなる要素を入れる。
  4. 参加の形を示す:遠くに住む人も、応援や訪問を通して関われることを伝える。

地域の外の人が最初に知りたいのは、「なぜ、その土地なのか」です。地名を説明するだけでなく、そこで暮らす人の一日や、季節ごとの景色を数行で書くと、行ったことのない人にも情景が伝わります。地域の人が撮った写真は、観光写真とは違う温かさがあり、ページの印象を決めます。

リターンに、地域の品や体験を入れると、離れた土地の人にも、その地域とのつながりを感じてもらえます。届けられる内容と時期は、先に決めておきます。

地域の団体で進めるときの役割分担

団体で進める場合は、役割を分けておくと動きやすくなります。

役割主な仕事
代表・まとめ役方針の決定、ページ公開と支援金の受け取りの名義(団体として)
地域とのつなぎ役住民や団体との対話、紙の告知の配布
発信担当ページの更新、SNS、活動報告
返信・お礼担当質問への返信、支援者へのお礼の言葉

一人に負担が集まらないよう、定期的に集まって、進み具合を共有します。団体の中で意見が分かれたときは、「誰のための挑戦か」に立ち返って話し合います。

公開中と終了後の報告を、地域に返す

報告は、支援してくれた人だけでなく、地域の人にも向けて届けます。活動報告は、1週間後・半分の時点・最後の1週間の3回が書きやすい型です。紙の掲示にも、同じ内容を短くまとめて載せると、地域の中でも進み具合が共有されます。

完成後は、使ってもらう場を地域に開きます。伊豆山では、完成したステージで2025年11月に、地域の子どもから大人までが出演するミュージカルが上演されました。地域の人が舞台に立ち、客席で見守る場になったことが、まちづくりの大切な成果です。

地域に戻した報告は、次の挑戦の土台にもなります。支援してくれた人、見守ってくれた人、場を使う人が、同じ報告を読んで、同じ景色を共有できるからです。報告のたびに、「次に来てほしい日」を一つ載せると、完成後の場にも、自然に人が集まります。

地域の挑戦を、伴走で支える

クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つで手伝います。ご相談、設計、準備、公開・伴走、報告の順に進み、準備は公開したい日の90日前から始めるのが目安です。代行ではなく伴走なので、地域の言葉で、地域の人が語れるよう一緒につくります。ページの公開と支援金の受け取りは、起案者本人(団体)の名義で行います。

補助金や助成金との併用を考える場合は、制度の要件により個別に確認します。補助金の相談は12FUNDでも受け付けています。

地域でやってみたい挑戦と、実現したい時期を、まずお聞かせください。

挑戦を相談する(クラウドファンディング支援)