世代別の伝え方
世代ごとに伝え方を変える:子どもから大人まで届くクラウドファンディングの案内
同じ企画でも、相手の世代によって、知りたいことや使う連絡手段は違います。世代ごとの伝え方の工夫をまとめました。
クラウドファンディングの案内は、相手の世代に合わせて、使う言葉と連絡手段を変えると届きやすくなります。企画の中身は一つでも、世代によって知りたいことは異なるからです。同世代には共感と日程、親世代には安心できる説明、子どもには楽しさ、年配の方には読みやすさを軸にすると、同じ企画が相手ごとにしっかり伝わります。
世代で変わる「知りたいこと」
世代の違いを意識すると、案内文の書き出しが決まりやすくなります。書き出しの一文は、相手が最初に知りたいことへの答えにします。
案内を受け取った人が最初に思うことは、世代によって少しずつ違います。まず、その違いを表で整理してみます。
| 相手 | まず知りたいこと | 響きやすい言葉 |
|---|---|---|
| 同世代の友人・仲間 | なぜ始めたのか、いつまでか | 気持ちと日程をそのまま伝える言葉 |
| 親世代・年上の方 | 何をするのか、安心して応援できるか | 目的と、お金の使い道が分かる言葉 |
| 子ども・学生 | 楽しそうか、自分に関係があるか | 短くて、動きのある言葉 |
| 地域の方 | 町にどんな良いことがあるか | 場所や行事に結びついた言葉 |
これは目安であり、人によって違います。大切なのは、相手の顔を思い浮かべて、「この人は何が気になるだろう」と考えてから書き始めることです。
同世代の仲間に伝えるとき
身近な仲間ほど、あらたまった説明をためらいがちですが、挑戦を始めるときの正直な気持ちこそ、いちばん伝わる材料です。
同世代の仲間には、堅い説明より、始めた気持ちと、ちょっとした背景を伝えます。「ずっとやりたかったことに、ついに挑戦します」と、自分の言葉で書くほうが、共感を呼びます。募集の期間と、応援の方法も、短く添えます。
連絡手段は、普段のやりとりに使っているメッセージのアプリが自然です。長い文章より、2〜3行の短いメッセージと、ページのリンクを送るほうが、読んでもらいやすくなります。公開の日に、その人の名前を呼んで一言添えれば、一斉の案内にならず、個別の声かけとして届きます。
親世代・年上の方に伝えるとき
親世代や年上の方は、企画の面白さに加えて、安心して応援できるかを大切にします。そのため、何をする企画か、誰が行うのか、集まったお金がどう使われるのかを、順を追って説明します。専門用語や略語は避け、言葉の意味が分かる形で書きます。
この世代には、スマートフォンの小さな画面より、紙や大きな文字のほうが読みやすいという方もいます。ページのリンクだけを送られても、操作に不安を感じる方がいます。そこで、企画の要点を書いた1枚の紙を渡し、ページの開き方を一緒に確かめる、という方法も有効です。クラウドファンディングという仕組み自体に馴染みがない方もいるので、仕組みの説明を、2〜3行添えておくと親切です。
子どもや学生に伝えるとき
子どもや学生は、友達の間で話題が広がる力を持っています。写真や動画を共有しやすい形で用意しておくと、本人たちの間で自然に話題が広がります。
子どもや学生には、難しい説明を避けて、楽しい場面を見せます。企画のイメージが分かる写真や、短い動画が、言葉より先に伝わります。「ここで歌えるようになるよ」「みんなで出られるよ」と、自分に関わることがすぐ分かる言葉を選びます。
ただし、子どもが自分で支援をするのは難しい場合が多く、実際には保護者が判断します。そこで、子ども向けの案内とは別に、保護者に向けた説明も用意します。企画の目的、子どもに関わる場面、安全面の配慮、連絡先をまとめておくと、保護者が安心して判断できます。教室や学びの取り組みでは、この保護者向けの説明が、応援のきっかけになります。
地域の方に伝えるとき
地域の方は、世代の幅が広いので、前の3つの世代への伝え方をすべて組み合わせる場面もあります。集会では紙の資料を配り、同じ場で子ども向けの写真も見せる、といった具合です。
地域の方には、その町や場所にとって何が良くなるのかを、具体的に伝えます。伊豆山の野外ステージの挑戦は、2023年の募集で173人から1,000万円以上の支援を集め、その後に完成したステージで、地域の子どもから大人までが出演するミュージカルが上演されました。地域に根ざした場づくりが、世代を越えた参加につながった例です。
地域の方への案内は、自治会の集まりや、町の掲示板、顔を合わせる場での声かけなど、直接のやりとりが効きます。顔を見て伝えれば、質問にもその場で答えられ、安心感が生まれます。
世代別の文例
同じ企画「公園に、みんなで歌えるステージをつくる」を、世代別に書き分けた文例です。言葉づかいや中身は、ご自身の企画に置き換えて使ってください。
| 相手 | 文例 |
|---|---|
| 同世代の仲間 | ずっとやりたかった、みんなで歌える場所づくりに挑戦します。◯月◯日から始めます。まず君に知らせたくて連絡しました。 |
| 親世代 | 地域の公園に、子どもから大人までが歌える小さなステージをつくる計画です。費用の内訳と使い道は、ページに順を追って載せています。 |
| 子ども | 公園にステージができるよ。みんなで歌える日をつくりたいんだ。写真を見てね。 |
| 地域の方 | 町の公園が、世代を越えて集まれる歌の場所になります。◯月の行事に合わせて、ご報告もお届けします。 |
どの文例も、企画の一文は同じ向きを向いています。変えているのは、相手が気にすることへの答えの順番です。書いたら、実際に送る前に、その世代に近い人に読んでもらうと、言葉の硬さや難しさに気づけます。
世代を越えて届ける工夫
世代を越えて伝えるときに、いちばん役に立つのは、相手の「いつもの場所」で声をかけることです。仲間にはメッセージのアプリ、親世代には電話や対面、子どもには学校や教室、地域の方には集まりの場というように、相手が普段の暮らしで足を運ぶ場所を思い浮かべます。慣れた場所で受け取った案内は、気持ちよく読んでもらえます。
- 企画の一文は、世代に関係なく同じにする(ぶれない軸をつくる)
- 説明の量と連絡の手段だけを、相手に合わせて変える
- 誰に何を送ったか、簡単な記録を残す
- 返事が来たら、その世代に合った言葉でお礼を返す
連絡の順番も、世代を意識して決めます。最初は、いちばん身近で、すぐ応援の返事をくれそうな人から始めます。その反応を受けて、少し離れた世代へ広げていくと、案内の言葉も磨かれていきます。最初の声かけで出た質問は、ページの「よくある質問」に生かせます。
企画の軸は変えず、伝え方だけを変えるのが基本です。世代ごとに内容を変えすぎると、「同じ企画なのに話が違う」と受け取られてしまいます。
クラウドファンディング支援では、プロジェクト設計から広報まで伴走します。誰にどのような順番で声をかけるかも、一緒に整理できます。ご相談は、お問い合わせフォームまたはLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国から受け付けています。