団体での起案

団体でクラウドファンディングを始める前の話し合い:合意メモの作り方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

団体で挑戦するときは、公開前の話し合いが、公開後の動きやすさを決めます。一枚の合意メモにまとめる手順を紹介します。

団体でクラウドファンディングを始めるなら、公開前に「何のために、誰が、何をするか」を一枚の合意メモにまとめておくと、公開後の動きが驚くほど軽くなります。話し合いは、まず目的をそろえ、次に役割を決め、最後に連絡の方法を整える三段階で進めます。クラウドファンディング支援は、地域の団体、お店、音楽や舞台のつくり手の挑戦に伴走しており、団体での準備にも一緒に取り組みます。ここでは、話し合いの順番と、合意メモの作り方を具体的に紹介します。

公開前に話し合っておくと、公開後が軽くなる

クラウドファンディングは、公開した日から支援者への報告が始まる、動きの速い取り組みです。公開してから「誰が返事を書くのか」「写真は誰が撮るのか」と決め始めると、その間にも日が過ぎていきます。

団体の強みは、メンバーそれぞれが違う輪を持っていることです。家族、職場、学校、近所、同じ趣味の仲間と、声をかけられる範囲が広がります。この強みを活かすには、全員が同じ目的を見ていることが大切です。話し合いは、気持ちをそろえる時間でもあります。

準備は、公開したい日の90日前から始めるのが目安です。話し合いは最初のひと月で済ませておくと、そのあとの文章・写真・動画・音楽づくりに、みんなで集中できます。

話し合いの三段階:目的、役割、連絡

第一段階:目的をそろえる

最初に確かめるのは、「この挑戦で何を実現したいのか」です。全員が同じ言葉で答えられるかを試してみましょう。ホワイトボードや紙に、一人ずつ一文で書き、読み比べます。言葉が違っていても気にしすぎず、共通する部分を抜き出して、団体の一文にまとめます。

第二段階:役割を決める

目的がそろったら、役割を分けます。得意なことを活かす役割分担にすると、続けやすくなります。次の項で、役割の表を紹介します。

第三段階:連絡の方法を整える

公開中は、メンバー同士の連絡が増えます。連絡に使うグループと、返信の目安の時間を決めておきます。支援者への窓口は一つにそろえ、メンバー間の連絡とは分けておくと混乱しません。

役割の表:得意なことから選ぶ

役割仕事の内容向いている人
代表ページに載せる顔として、思いを語る団体の歴史と思いを語れる人
窓口支援者からの問い合わせに返事をする丁寧な文章が書ける人
書き手活動報告とお礼状を書く言葉で気持ちを伝えるのが好きな人
記録係写真・動画を撮り、材料を集めるカメラやスマートフォンに慣れた人
リターン係リターンの準備と発送の段取りこまやかに段取りできる人
声かけ係それぞれの輪に、メッセージを送る人とのつながりが広い人

一人が複数の役割を兼ねても構いません。メンバーが少ない団体は、役割ごとに「主担当」と「補佐」を決めておくと、誰かが忙しい時期でも仕事が止まりません。

合意メモに書く項目

話し合った内容は、一枚の紙(またはひとつの共有文書)にまとめ、全員が見られる場所に置きます。次の項目を埋めると、合意メモが完成します。

項目書く内容
挑戦の一文何を実現するのか
届けたい人完成したものを誰に届けるか
公開したい日目標にする公開日と、終了の日
名義と代表者ページに載せる団体名と、代表者の名前
役割各役割の主担当と補佐
連絡の方法メンバー間のグループと、支援者への窓口
報告の予定活動報告を書く節目と、書き手
お礼の届け方リターンとお礼状を、誰がいつ届けるか

ページの公開と支援金の受け取りは、起案者本人(団体)の名義で行います。名義と代表者の欄は、メンバー全員が同じ内容を共有できるように、合意メモの最初に置きます。

話し合いの当日の進め方

話し合いは、時間を区切って進めると、全員が発言できます。次の流れを目安にしてください。

  1. はじめに、挑戦したい理由を一人ずつ一言で話します。
  2. 次に、目的の一文を全員で決めます。
  3. 続いて、役割の表を見ながら、主担当と補佐を決めます。
  4. 最後に、連絡の方法と、次の集まりの日を決めて終わります。

司会は、発言の少ない人に「どう思う?」と声をかける役です。年齢や立場がさまざまな団体ほど、一人ずつの声を聞く時間が、あとの協力につながります。決めたことは、その場で合意メモに書き込み、全員で画面や紙を見て確かめると、後日の行き違いが減ります。

合意メモの書き方の例

たとえば「挑戦の一文」の欄は、「地域の子どもから大人までが歌える、屋根のある舞台をつくる」のように、完成した姿を短く書きます。「連絡の方法」の欄は、「メンバー間はグループで連絡、支援者への窓口は代表者のメールに一本化」のように、使うものを具体的に書きます。メモは公開後も見返せるよう、更新した日付を入れておきましょう。

意見が分かれたときの進め方

話し合いで意見が分かれるのは、それぞれが挑戦を大切に考えている証拠です。次の三つの手順で整理すると、前向きに進められます。

  1. それぞれの願いを聞く:賛成か反対かの前に、「何を大切にしたいか」を一人ずつ聞きます。
  2. 共通する願いを見つける:違う意見の奥に、同じ願いがあることがよくあります。
  3. 小さく試して決める:決めきれない点は、期間を区切って試し、結果を見てから決めます。

たとえば、リターンの種類で意見が分かれたなら、まず少数に絞って公開し、公開中の反応を見て追加を考える方法もあります。決めることに時間をかけすぎるよりも、動きながら整えていく姿勢が、団体の勢いを保ちます。

決まったあとは、「話し合って決めた」ことをメンバー全員で確かめ合い、「ありがとう」を声に出して伝え合いましょう。感謝を伝え合う習慣は、公開中の長い道のりでも、団体の空気を明るく保つ力になります。公開中に困ったことが出たときも、合意メモに戻れば、全員が同じ場所から話を始められます。

伊豆山の野外ステージに見る、みんなで進める力

実績の一つである伊豆山の野外ステージの挑戦は、2023年10月13日から12月31日まで、CAMPFIREで募集し、173人から1,000万円以上の支援が集まりました。CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年1位です。完成したステージでは、2025年11月に地域の子どもから大人までが出演するミュージカルが上演されました。

地域の挑戦は、一人では届かない場所まで、みんなの輪が運んでくれます。その輪を広げる土台が、公開前の合意メモです。

団体の準備も、伴走で一緒に

クラウドファンディング支援は、代行ではなく伴走です。準備の段階から、合意メモの項目を一緒に整理し、ページの文章、動画、リターン、広報へと進みます。料金の表はなく、プロジェクトごとに相談のうえお見積りです。ご相談は、お問い合わせフォームの「挑戦を相談する」、またはLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国から受け付けています。

クラウドファンディング支援のトップページから、団体の挑戦を聞かせてください。

よくある質問

話し合いは、何回くらい行えばよいですか?

目的、役割、連絡の三段階で、それぞれ一回ずつ行うのが目安です。メンバーが集まりにくい場合は、オンラインでの話し合いでも進められます。

全員が賛成するまで待つ必要がありますか?

全員の願いを聞いたうえで、共通する願いを見つけることが大切です。決めきれない点は、小さく試しながら進める方法もあります。

メンバーが少ない団体でも始められますか?

はい。役割を兼ねながら、主担当と補佐を決めておくと、少人数でも進められます。