声かけの心構え

人にお願いするのが苦手でも大丈夫:クラウドファンディングの声かけの考え方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

お願いするのが苦手なのは、相手を大切に思っているからです。その気持ちを活かした、無理のない声かけの考え方をまとめました。

結論から言うと、お願いごとが苦手な人ほど、クラウドファンディングに向いています。理由は、相手の気持ちを考えて言葉を選べる人だからです。コツは、「お金をください」と頼むのではなく、「挑戦を知ってください。気に入ったら、応援してください」と、頼むことを小さく分けることにあります。

「知り合いにお金の話をするなんて申し訳ない」「断られたら気まずい」。そう思って、最初の一歩が止まってしまう方は少なくありません。この記事では、その気持ちを否定せずに、無理のない声かけの形に変えていく方法をお伝えします。

苦手な気持ちの正体を、言葉にしてみる

「苦手」という気持ちには、いくつかの種類があります。何が引っかかっているのかを言葉にすると、対策が見えてきます。次の表で、近いものを探してみてください。

気持ちその奥にあること変えられること
迷惑をかけたくない相手の負担への心配断りやすい頼み方にする
お金の話がしにくい気まずさ、評価されることへの不安お金ではなく、挑戦の話から始める
断られるのが怖い自分が否定される感覚断られるのは企画の評価ではないと知る
自分の活動に自信がない価値が伝わるか分からない第三者の声や、具体的な場面で語る

どの気持ちも、挑戦に真剣だからこそ生まれます。まず、自分の気持ちを認めたうえで、できることから変えていきましょう。

頼むことを、小さく三つに分ける

「支援してください」という一つの大きなお願いは、重く感じられます。そこで、お願いを小さく三つに分けます。

  1. 知ってもらう。挑戦したいことを、まず話す。聞いてもらうだけでよい。
  2. 見てもらう。ページが公開されたら、見てもらう。共感できたら、その気持ちで十分。
  3. 応援してもらう。応援したいと思ってくれた人が、支援や、周りへの紹介をしてくれる。

多くの場合、最初の段階の「知ってもらう」だけなら、気軽に伝えられるはずです。そのうえで、相手が自分から「何かできることはある?」と聞いてくれたら、そこで次のお願いを伝える。この順番なら、頼む側の心の負担は大きく軽くなります。

お願いする内容を選べるようにしておくと、さらに楽になります。「支援が難しければ、ページを友だちに見せてくれるだけでもうれしい」と伝えれば、相手も断りの気まずさを感じずに済みます。

お金ではなく、挑戦の物語から話す

お金の話から入ると、相手は構えます。話の始まりは、いつも挑戦の中身です。

  • 何をしたいのか
  • どうして、それをしたいのか
  • それが実現したら、誰が、どんなふうに喜ぶのか

この三つを話し、相手の反応を見てから、「それを形にするために、クラウドファンディングという方法を考えている」と続けます。お金は、挑戦を実現するための手段として、あとから自然に出てくる話になります。

伊豆山の野外ステージづくりのクラウドファンディングは、173人から1,000万円以上のご支援をいただきました。その挑戦も、ステージで何が生まれるのかを語ることから始まりました。物語が先にあるから、応援したいという気持ちが生まれると私たちは考えています。

断られたときの受け止め方

声をかけた人の中には、今回は見送る人もいます。断られることを、あらかじめ前提にしておくと、気持ちが楽になります。受け止め方のポイントは三つです。

  1. 断りは、あなたへの否定ではない。その人の事情(時期、お金、興味)による判断です。
  2. その場で気持ちよく引く。「話を聞いてくれてありがとう」と伝えて、深追いしないこと。関係を保つほうが、長い目で見て大切です。
  3. 声かけの数ではなく、届けた人の数で考える。知ってもらった人が増えれば、その人が別の人に伝えてくれることもあります。

断られた経験を、ページを磨く材料に変えることもできます。「どこが伝わらなかったのだろう」と考えて、冒頭や写真を見直す。一人ひとりの反応が、ページの改善の手がかりになります。

そのまま使える短い声かけの文例

最初の一言が決まっていると、声をかける勇気が出ます。場面別に、短い文例を挙げます。自分の言葉に直して使ってください。

場面文例
挑戦を初めて話すとき「実は、こんなことをやってみたくて。聞いてもらえるとうれしい」
公開の日に知らせるとき「今日からページを公開しました。時間のあるときに、のぞいてみてください」
支援をお願いするとき「もし気に入ってもらえたら、応援してもらえるとうれしいです。難しければ、見てもらえるだけでも十分です」
応援してもらったとき「応援ありがとう。いただいた気持ちを、必ず形にします」
断られたとき「話を聞いてくれてありがとう。また進み具合を報告するね」

どの文例にも共通するのは、短く言い切っていることと、相手に選ぶ余地を残していることと、感謝を言葉にしていることです。押しつけず、感謝を添える。この二つがあれば、お願いごとはずっと穏やかなやり取りになります。

最初の一週間の声かけを、小さく計画する

公開の最初の一週間は、声かけが集中する時期です。「今日は誰に連絡するか」を前の日に決めておくと、迷う時間が減ります。たとえば、最初の三日は身近な家族と仲間、次の二日は友人、残りの二日は職場や地域の知り合い、というように、近い人から外へ広げる計画を立てておきます。一日に声をかける人数は、無理のない数に抑えましょう。一人ひとりに丁寧に伝えるほうが、結果として、気持ちのこもった応援につながります。

続けやすくする、三つの工夫

公開中は、声かけと発信が何週間も続きます。気持ちが疲れないように、次の工夫を入れておきましょう。

  • 声かけの日を決める。毎日ではなく、週に二、三回と決め、ほかの日は休みます。
  • 文面は、あらかじめ作っておく。相手別の下書きを用意しておけば、毎回悩まずに送れます。
  • 仲間に分担する。一人で全員に声をかけず、仲間にも、それぞれの知り合いへ紹介してもらいます。

相手別の文面の考え方は、同じサイトの応援依頼メッセージの記事でも紹介しています。公開中の時間の使い方は、一日の時間割の記事も役に立ちます。

一人で抱え込まないための伴走

お願いが苦手な方にとって、いちばん大きな支えは、気持ちを聞いてくれる相手がいることです。私たちは、代行ではなく伴走という形で、挑戦する方が自分の言葉で語れるよう、一緒に準備を進めています。何から声をかけるか、どの順番で伝えるか、どんな文面にするか。そうした小さな迷いを、一緒に整理していきます。

ページの公開と支援金の受け取りは、起案者ご本人(団体)の名義で行います。だからこそ、本人が納得して進められることを大切にしています。準備は、公開したい日の九十日前から始めるのが目安です。余裕を持って、声かけの練習から始めましょう。

声かけの不安も含めて、まずは挑戦したいことと時期をお知らせください。トップページのお問い合わせフォームまたはLINEから、ご相談いただけます。

よくある質問

知り合いが少なくても、クラウドファンディングはできますか?

できます。ページや発信を通して、まだ会ったことのない人にも挑戦を知ってもらえるのが特徴です。身近な人への声かけと、発信の両方を組み合わせて進めましょう。

お金の話は、いつ切り出せばよいですか?

挑戦の物語を話し、相手が興味を示してからで十分です。「ページが公開されたら見てほしい」という形で伝えるのも、気楽な方法です。

同じ人に何度も声をかけてもよいですか?

公開の知らせと、終わりが近づいたときの二回程度が目安です。何度も重ねるより、間に活動報告で近況を伝えるほうが、気持ちよく受け取ってもらえます。