動画づくり

クラウドファンディングの紹介動画:一分半の台本の組み立て方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

紹介動画は、ページを開いた人が最初に出会う「挑戦の顔」です。話す順番を先に決めておくと、緊張していても思いがまっすぐ伝わります。

紹介動画の台本は、「自己紹介」「挑戦の中身」「なぜ今か」「お金の行き先」「呼びかけ」の五つの場面を、この順番で一分から二分ほどにまとめるのがいちばん伝わります。ページの文章をそのまま読み上げるのではなく、文章では伝わりにくい表情や声の温度を見せる場所だと考えると、台本づくりが楽になります。クラウドファンディング支援の四つの手伝いにも「物語と動画・音楽」があり、起案者の方が自分の言葉で語れるよう、台本づくりから一緒に整えています。ここでは、はじめて動画を撮る方でも使える組み立て方を紹介します。

紹介動画が担う役割:文章とは別の仕事をする

ページを開いた人は、最初の数十秒で「この挑戦を読み進めるかどうか」を決めます。長い文章を読む前に、まず動画の再生ボタンを押す人も少なくありません。だから紹介動画は、ページ全体の予告編の役割を持ちます。

文章には、順序立てて詳しく説明できる強みがあります。動画には、話している人の表情、声の調子、挑戦の舞台になる場所の空気を一度に見せられる強みがあります。「この人なら応援したい」という気持ちは、説明の正しさよりも、人柄が伝わった瞬間に生まれることが多いものです。

ですから、動画の中で細かな条件や日程のすべてを話そうとしなくて構いません。細かな内容はページの文章に任せ、動画では「誰が」「何を」「なぜ」を気持ちよく届けることに集中します。役割を分けると、台本が短くなり、話す側の負担も小さくなります。

五つの場面で組み立てる台本の型

台本は、次の五つの場面を順に並べるだけで形になります。それぞれの場面に、話す内容の例と、避けたい落とし穴を整理しました。

場面話す内容落とし穴
1 自己紹介名前、活動の場所、どんな活動をしているか経歴を並べすぎて、本題に入るのが遅くなる
2 挑戦の中身何をつくるのか、何を実現したいのか専門用語が続き、初めて聞く人に伝わらない
3 なぜ今か始めようと思ったきっかけ、今やる理由きれいにまとめすぎて、気持ちが見えない
4 お金の行き先支援が何に使われ、何が形になるか金額の説明だけで終わり、完成の姿が見えない
5 呼びかけ応援のお願い、ページへの案内お願いの言葉が弱く、次の行動が分からない

場面1:最初の一言で「誰の話か」を伝える

最初の一言は、「こんにちは、◯◯で◯◯をしている◯◯です」で十分です。肩書きよりも、どんな場所で、どんな活動をしているかが分かると、見る人は安心して先を聞いてくれます。団体の場合は、代表の方が話すか、数人が順に話すかを先に決めておきます。

場面2と3:挑戦の中身ときっかけを、一つの流れで話す

「私たちは◯◯をつくります」と結論から言い切り、そのあとに「なぜなら」とつなげます。きっかけは、ひとつの具体的な出来事で語ると伝わります。たとえば、練習場所が足りなくて困った日のことや、子どもたちの発表を見て心が動いた日のことなど、実際にあった場面を一つだけ選びます。複数の理由を並べるより、一つの場面を丁寧に話すほうが、見る人の記憶に残ります。

場面4と5:お金の行き先を見せて、呼びかけで終える

お金の話は、「集まったら、こうなります」という完成の姿とセットで話します。伊豆山の野外ステージは、2023年のクラウドファンディングで173人から1,000万円以上の支援が集まり、完成したステージで2025年11月に地域の子どもから大人までが出演するミュージカルが上演されました。このように「支援がどんな景色になったか」を思い描ける話し方は、見る人の気持ちを動かします。最後は「ページの続きをご覧ください」「応援をよろしくお願いします」と、次にしてほしい行動を一つだけ伝えて終えます。

台本は「話し言葉」で書く

文章用に書いた原稿を読み上げると、どうしても硬くなります。動画の台本は、友人に話しかけるつもりで、話し言葉で書き直します。次の点を意識すると、聞き取りやすくなります。

  • 一文を短くする:息継ぎの場所で文を区切り、一文一つの内容にします。
  • 難しい言葉を言い換える:読めば分かる言葉でも、聞くと分かりにくいことがあります。声に出して確かめます。
  • 数字は一つか二つに絞る:たくさんの数字は耳に残りません。いちばん伝えたい数字だけを選びます。
  • 大事な言葉は繰り返す:挑戦の名前や合言葉は、動画の中で二度ほど口にすると、記憶に残ります。
  • 「えー」「あの」を恐れない:少しの言いよどみは、人柄の味になります。

台本ができたら、声に出して読み、時計で長さを測ります。長すぎる場合は、場面ごとに削ります。迷ったときは、場面2と場面5を残して、ほかを短くしてください。何をつくるのかと、どうしてほしいのかが残れば、動画の役割は果たせます。

撮影前の準備表:撮り直しを減らす

撮影の日に慌てないために、準備を表にしておきます。特別な機材がなくても、スマートフォン一台で始められます。

準備すること確認のポイント
撮影する場所挑戦の舞台や活動の場所を背景にすると、言葉に説得力が出る
明るさ窓の光が顔にあたる位置を選ぶ。逆光は避ける
音試し撮りをして、声が聞き取れるかを聴き返す。周りの音が大きい時間は避ける
画面の向き横向きか縦向きかを先に決め、最後まで統一する
台本の持ち方カメラの近くに大きな文字で置く。丸暗記はしない
記録係撮る人を一人決める。話す人が撮ると表情が固くなる
映る人と物映る方に了承をもらう。看板やロゴが映る場合も確認する

撮影は、一度で決めようとせず、場面ごとに撮るのがおすすめです。五つの場面を別々に撮れば、言い間違えても、その場面だけ撮り直せます。あとでつなぐときも、場面の区切りがはっきりしているので、編集の負担が軽くなります。

音楽と字幕で、見る人にやさしく仕上げる

動画は、音を出さずに見る人もいます。話した内容を短い字幕にして、画面の下に入れておくと、どんな場面でも内容が伝わります。字幕は、話した言葉をそのまま載せるより、要点を短くまとめるほうが読みやすくなります。

音楽を入れる場合は、話し声が聞き取れる小さな音量にします。話し始める場面では、音楽を弱くするか止めると、声がまっすぐ届きます。音楽の選び方は、挑戦の雰囲気に合うかどうかが基準です。音楽の使い方は動画の印象を大きく左右するので、選ぶ段階から相談しておくと安心です。

動画の終わりには、ページの名前や挑戦の名前を文字で入れて、見終わった人が「どこから応援できるのか」をすぐ分かるようにします。続けて、ページで見てほしい場所を一つだけ案内します。

公開前の見直しと、公開後の使い道

動画ができたら、公開の前に、挑戦の内容を知らない人に見てもらいます。見終わったあとに「何をつくる挑戦か」を一言で言ってもらい、伝えたい内容と合っているかを確かめます。違っていれば、場面2の話し方を見直すサインです。

完成した動画は、ページの冒頭に置くだけでなく、公開中の発信にも使えます。公開した日の投稿に添えたり、活動報告の最初に載せたりすると、ページを開く前の人にも挑戦の顔が届きます。動画の中の一場面を短く切り出して、節目の投稿に使う方法もあります。

何度も撮り直しているうちに、自分の言葉が整ってきたと感じる方は多いはずです。台本づくりは、挑戦の気持ちを整理する作業でもあります。完成した動画は、ページだけでなく、支援者の方への報告やお礼の場面でも、挑戦の始まりを思い出してもらう大切な記録になります。

台本づくりから、一緒に考えませんか

クラウドファンディング支援は、地域の団体、お店、音楽や舞台のつくり手の挑戦に伴走します。プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いで、公開前の準備から公開中の発信、終了後の報告まで、起案者の方が自分の言葉で語れるよう一緒に整えます。料金の表はなく、プロジェクトごとにご相談のうえお見積りです。ご相談は、お問い合わせフォームの「挑戦を相談する」、またはLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国から受け付けています。

クラウドファンディング支援のトップページから、あなたの挑戦を聞かせてください。

よくある質問

紹介動画の長さは、どのくらいがよいですか?

一分から二分ほどが目安です。五つの場面をそれぞれ短くまとめ、見終わったあとにページを読みたくなる長さにします。

台本は暗記したほうがよいですか?

丸暗記は必要ありません。場面ごとの要点をメモにして、カメラの近くに置き、自分の言葉で話すほうが自然に伝わります。

動画の編集に自信がなくても大丈夫ですか?

場面ごとに撮影すれば、つなぐだけで形になります。動画の相談も、クラウドファンディング支援の「物語と動画・音楽」でお受けしています。