地域の協力者づくり
地域のお店や団体に協力してもらう:リターンに地域の品を加える頼み方
地域の品や体験をリターンに加えると、支援する人にも協力するお店にも「うれしい」が生まれます。声のかけ方から決めごとまでを順に紹介します。
リターンに地域のお店や団体の品や体験を加えたいときは、まず「お店にとってもうれしい形」を一緒に考えてから声をかけると、前向きな返事をもらいやすくなります。この記事では、声をかける順番、依頼文の型、決めておく項目を、準備の流れに沿って紹介します。
地域の品や体験をリターンにする良さ
クラウドファンディングのリターンには、企画に関わる体験や地域の品がよく選ばれます。お店の焼き菓子、工房の小さな手仕事、団体が開く体験の時間など、その土地ならではのものは、遠くに住む支援者にとっても「その企画を応援した」という実感につながります。
良さは支援者の側にも、協力する側にもあります。協力するお店や団体にとっては、ページを通じて名前と商品を知ってもらえる機会になります。企画する側は、リターンの種類が増え、地域の人が「自分たちの企画」と感じてくれる入口が増えます。三者がそれぞれ得をする形を目指すことが、この頼み方の出発点です。
声をかける順番を決める
いきなり大勢に声をかけるより、輪の内側から順番に進めるほうが、相談もしやすく、依頼文も育ちます。目安は次の三段階です。
- すでに顔なじみのお店や団体:企画の思いを話さなくても伝わる相手です。最初の協力者になってもらい、依頼文の練習台にもなります。
- 顔なじみの紹介でつながる先:最初の協力者から「あのお店も面白いと思う」と紹介してもらいます。紹介者の名前を添えると、話が早く進みます。
- はじめて声をかける先:ページの下書きと、すでに決まった協力者の名前を見せられる段階で声をかけます。「ここまで決まっています」と見せられると、相手も判断しやすくなります。
準備は公開したい日の3か月前から始めるのが目安です。協力者への依頼は、リターンの設計を固める時期に重ねると、ページの下書きと並行して進められます。声をかけるのが公開直前になると、品の準備や写真の撮影が間に合わなくなるので、早めの相談が安心です。
お願いする前の整理と依頼文の型
お願いする前に整理しておくこと
お店や団体に会いに行く前に、企画側の手元で次の四つを一枚のメモにまとめておきます。相手の質問に落ち着いて答えられると、それだけで信頼につながります。
- 企画の中身:何をつくり、なぜ地域にとって意味があるのかを、三文で話せるようにする
- 期間:支援を募る期間と、リターンを届ける予定の時期
- お願いの内容:品を提供してほしいのか、体験の場を貸してほしいのか、ページで紹介させてほしいだけなのか
- 相手にとっての良いこと:名前の紹介、写真の掲載、お客さんとの新しい出会いなど
「協力してほしい」とだけ伝えると、相手は何をどこまで負担するのか分からず、返事に迷います。お願いの内容を具体的に絞ると、「それならできそう」と考えてもらえます。たとえば、「焼き菓子の詰め合わせを、支援者への返礼品の一つとして選ばせてください」と書くと、品物と役割がはっきりします。
依頼文の型
最初の連絡は、対面や電話でも、メッセージやお手紙でも、同じ順番で話すと伝わりやすくなります。依頼文は次の型に当てはめて書いてみてください。
| 順番 | 内容 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 ごあいさつ | 相手のお店や活動のどこに魅力を感じているか | 「いつも季節ごとの焼き菓子を楽しみにしています」 |
| 2 企画の紹介 | 何をしたいか、三文で | 「地域の公園に、みんなで歌えるステージをつくる挑戦を始めます」 |
| 3 お願い | 協力してほしいことを一つに絞る | 「リターンの一つとして、焼き菓子の詰め合わせを加えさせてください」 |
| 4 相手の良いこと | ページでの紹介や写真の掲載 | 「ページでお店の名前と写真を紹介します」 |
| 5 次の一歩 | 相談の日時の提案 | 「ご都合のよい日に、10分だけお話しさせてください」 |
文章の最後には、返事を急がせない一言を添えます。「お考えになる時間も必要だと思いますので、ゆっくりご検討ください」のように、相手の都合を大切にする言葉があると、断る場合にも気持ちよくやり取りが終わります。協力してもらえなかった場合でも、企画の応援者として関係が続くこともあります。
決めておく項目の表
協力が決まったら、口約束のままにせず、次の項目を一緒に確認して書き残します。公開中に慌てないための準備です。
| 項目 | 決めること | ひとこと |
|---|---|---|
| 品や体験の中身 | 何を、どのくらいの量・時間で提供するか | 写真つきで残すとページ作りに使える |
| 数 | 用意できる最大の数 | 数に限りがあるリターンは、上限をページに書く |
| 届ける時期 | いつから、いつまでに届けるか | お店の繁忙期を避けて決める |
| 届け方 | お店から発送か、企画側がまとめて送るか、受け取りに来てもらうか | 誰が梱包し、誰が送るかを名前で決める |
| 費用の分担 | 品の費用、包装、送る費用を誰が持つか | 目標金額の積み上げに入れておく |
| ページでの紹介 | お店の名前、写真、説明文の確認方法 | 公開前に相手に文章を見てもらう |
| 連絡の窓口 | お互いの担当者と連絡手段 | 公開中に急ぎの連絡が取れるようにする |
とくに数と届ける時期は、後から変更しにくい項目です。人気が出ると予定より多く申し込みが入ることもあるため、「余裕を持った数」と「少し遅めの届け予定」で組み立てておくと、お店にも支援者にも無理がありません。数の上限は、リターンの説明文にも書いておくと、読む人が選びやすくなります。
協力してくれた方への感謝の伝え方
協力者との関係は、お願いしたあとも続きます。公開中も、終わってからも、感謝を伝え続けることで、次の挑戦にもつながる関係になります。
- 公開前:ページの完成版を見てもらい、紹介文に間違いがないか確認してもらう
- 公開中:活動報告の中で、協力してくれたお店の品を紹介する。お店のSNSで紹介してもらえるときは、投稿の内容も共有しておく
- 公開後:支援者への報告に、協力店への感謝と、完成した様子を一緒に載せる
- 完成後:お披露目の場に招待し、お店の品を会場で使う
活動報告は、1週間後・半分の時点・最後の1週間の3回が書きやすい型です。そのうちの一回を「協力してくれた地域のお店紹介」にすると、支援者にとっても読みものとして楽しく、お店にとっても注目される機会になります。報告に載せる写真は、お店の了解を得てから使います。
つまずきやすい点と直し方
地域の協力者づくりでは、次のような場面で相談が止まりがちです。あらかじめ直し方を知っておくと安心です。
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 相手が忙しく、返事がなかなか来ない | 最初の連絡は短くし、会って話す時間を十分以内に設定する。後日、ページの下書きを添えて改めて連絡する |
| お店が負担を心配している | お願いを一つに絞り、費用の分担を表で見せる。負担の少ない形から始めて、うまくいったら広げる |
| 数が足りなくなりそう | 上限をページに書く。上限に達したら、次の候補のお店のリターンを追加できるよう、候補を二つ用意しておく |
| 協力店ごとに文章の雰囲気がばらばらになる | 企画側で紹介文の型を決め、お店には事実の確認だけをお願いする |
| 届ける作業が公開後に重なる | 発送の担当と日にちを、公開前に表で決めておく |
伴走の相談から始める
地域の協力者づくりは、企画の設計、リターン設計、広報の三つが重なる場所にあります。クラウドファンディング支援では、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いを、公開前の準備から公開中の発信、終了後の報告までご用意しています。代行ではなく伴走なので、依頼文も起案者さんの言葉で書けるよう、一緒につくります。
実績としては、伊豆山の野外ステージづくりで、CAMPFIREでの2023年の募集で173人から1,000万円以上の支援が集まり、CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年1位になりました。地域の方々の応援が広がった事例です。まずは、協力をお願いしたいお店や団体の候補を、思いつく範囲でメモにして、ご相談ください。
ご相談は、お問い合わせフォームまたはLINEから、オンラインで全国どこからでも承ります。クラウドファンディング支援のトップページから、挑戦したいことと時期をお知らせください。