素材の棚卸し
クラウドファンディング準備の最初の一歩:手元の素材を棚卸しする
ページづくりを始める前に、手元にある素材を一覧にしておくと、撮るもの・書くものが見えてきます。棚卸しの手順をまとめました。
クラウドファンディングの準備は、新しく何かをつくる前に、手元にある写真・文章・音源・動画を一覧にする「棚卸し」から始めると、無駄なく進みます。すでにある素材を知れば、足りないものだけを撮り、書き、録ればよいからです。この記事では、棚卸しの手順と、使える一覧表を紹介します。
棚卸しを先にする理由
準備の期間は、公開したい日の3か月前からが目安です。この3か月の中で、文章・写真・動画・音楽といった素材づくりが大きな割合を占めます。素材が揃わないまま公開日が近づくと、ページの完成度が下がり、あわてて撮った写真を使うことになりかねません。
反対に、準備のはじめに棚卸しをしておけば、「この写真はすでにある」「この場面だけ撮り足そう」と、計画的に動けます。棚卸しは、時間の節約と同時に、今までの活動を見つめ直す時間にもなります。長く続けてきた活動ほど、思いがけない素材が見つかります。
素材の4つの分類
棚卸しの対象は、完成した作品に限りません。活動の途中のメモ、うまくいかなかった練習の記録、仲間とのやりとりなども、物語の背景になる大切な素材です。
棚卸しでは、素材を4つに分けて探します。分けておくと、探し漏れが減ります。
| 分類 | 探す場所の例 | ページでの使いどころ |
|---|---|---|
| 写真 | スマートフォンのアルバム、団体の共有フォルダ、仲間が撮った写真 | 最初の画面、物語、活動の紹介 |
| 文章 | 過去のSNSの投稿、お知らせ、手紙、活動のメモ | 始めた理由、これまでの歩み |
| 音源・音楽 | 練習の録音、ライブの録音、デモ音源 | 紹介動画のBGM、リターンの内容 |
| 動画 | 発表会やイベントの記録、練習風景 | 紹介動画、活動報告 |
集めるときは、見た目の整い具合は問いません。ぼやけた写真や短い録音も、まずは候補に入れます。まずは、ある物をすべて集めることが目的です。選ぶのは次の段階です。
一覧表のつくり方
表のつくり方は簡単で、特別なソフトは要りません。スマートフォンのメモでも、ノートでも構いません。大切なのは、団体の仲間が同じ一覧を見られることです。共有できる形にしておくと、誰がどの素材を持っているかが分かり、依頼も楽になります。
表計算ソフトか紙に、次の列をつくります。素材の名前、種類、撮った日、写っている人や場面、使えそうな場所、使うときの確認事項です。ここで大切なのが、最後の「使うときの確認事項」です。写真に人が写っていれば、その人に使ってよいか聞く必要があります。音源を使うなら、誰がつくった曲なのかを書いておきます。
- 集めた素材を、1点ずつ表に書き写す
- 写っている人や、つくった人の名前をメモする
- 使えそうな場所に印をつける(冒頭、物語、報告など)
- 確認が必要な素材には、連絡する相手を書く
- 確認がとれたものから、使える素材の欄に移す
連絡が必要な素材は、準備のはじめに声をかけておくと、返事を待つ時間を使って別の作業ができます。人の写真や、他の人がつくった音楽を使うときは、事前にきちんと連絡し、使ってよい範囲を相手と一緒に決めておくと、公開後も気持ちよく続けられます。
足りないものを見つける
足りないものを見つけるのは、点検の時間です。ページを充実させる余地を見つける、前向きな作業です。見つかった空白は、挑戦の物語を厚くする新しい機会になります。
一覧ができたら、ページに必要な場面と照らし合わせます。ページには、たいてい次のような場面が必要になります。
- 活動の様子:いつもの練習や活動が分かる一枚
- 挑戦の舞台:完成させたい場所、使いたい道具の写真
- 人の顔:活動する人、応援してくれる人の表情
- これまでの歩み:過去のイベントや成果が分かる写真
- 音や声:音楽や話し声が入った短い録音
この5つの場面のうち、手元に素材がないものが、撮り足すリストになります。撮り足すときは、公開日から逆算して、いつ、誰が、どこで撮るかを日程に入れます。野外の場面は天気に左右されるので、予備日を一日つくっておくと安心です。
この照らし合わせは、一覧表の横に「必要な場面」の列を足すと、一目で分かります。場面ごとに素材が1点でもあれば合格、まったく無ければ撮り足し、という簡単な基準で十分です。
素材を選ぶときの視点
選ぶ作業は、一人で抱えず、活動の仲間や家族と一緒に行うのもおすすめです。自分では見慣れた写真でも、周りの人から「この一枚が一番楽しそう」と言われて、新しい発見をすることがあります。複数の目で選ぶと、偏りも減ります。
集めた素材は、その中から厳選して使います。選ぶときは、次の3つの視点で見ます。
一つ目は、企画の中身が伝わるかです。きれいな風景でも、企画と関係がなければ使いません。二つ目は、気持ちが伝わるかです。笑顔、真剣な目、道具を持つ手など、人の気持ちが見える写真は、読む人の心に残ります。三つ目は、画面で見やすいかです。暗すぎる写真や、細かすぎる文字の写真は、スマートフォンの小さな画面では伝わりません。
選んだ素材は、使う場所ごとに仮置きしてみます。冒頭の一枚、物語の中の3枚、リターンの紹介に添える数枚というように、ページの完成図を思い浮かべながら配置します。仮置きの段階で、同じような場面の写真が続いていたり、人の顔がまったく無かったりすることに気づけます。気づいた偏りが、次に撮る写真のヒントになります。
選んだ素材には、ファイル名に日付と内容を入れておきます。「写真123」のような名前だと、あとで探せません。「活動風景_練習」「ステージ予定地_全景」のような名前にしておくと、ページの制作や、広報用の投稿づくりが速くなります。
撮り足しと書き足しの日程のつくり方
足りない素材が見つかったら、作業を小さく分けて日程に入れます。たとえば、写真の撮り足しなら「場所の下見」「撮影」「選ぶ」の3つに分け、それぞれに日にちを決めます。文章なら「メモを出す」「下書き」「読んでもらう」「直す」の4つです。大きな作業のまま予定に入れると、手をつけにくくなり、後回しになりがちです。
日程を組むときは、人に頼む作業を先に置きます。写真を撮ってもらう、感想の言葉をもらう、演奏を録音させてもらうといった作業は、相手の予定に左右されます。自分だけで進められる作業は、そのあいだの空き時間に入れていけば、全体が滞りません。
棚卸しの結果を準備に生かす
棚卸しが終わったら、足りない素材の撮影日、文章を書く日、音を録る日を、準備のカレンダーに入れます。一覧表は、公開してからも使えます。活動報告に載せる写真を選ぶときや、終了後のお礼を書くときに、すぐ見返せるからです。
クラウドファンディング支援では、ご相談の段階で、挑戦したいことと時期をうかがい、準備の素材づくりにも伴走します。素材の一覧をつくる段階から、一緒に見ていくことも可能です。写真や録音が手元に散らばったままでも大丈夫ですので、そのままお知らせください。ご相談は、お問い合わせフォームまたはLINE(AtoNO Records)から、オンラインで全国から受け付けています。