お名前の掲載

支援者のお名前を載せる企画:掲載の聞き方と、載せ方の決め方

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

支援してくれた人のお名前を、完成したものに残す。うれしい仕組みだからこそ、聞き方と確認の順番を先に決めておくと、全員が気持ちよく迎えられます。

結論から言うと、支援者のお名前を載せる企画は、「載せたい人だけが選べる形にする」「表記を本人に確認する」「確認の締め切りを先に決める」の三つを、公開前に決めておくと進めやすくなります。お名前が残ることは、支援してくれた人にとって大きな喜びです。その分、聞き方や載せ方が丁寧だと、完成したときの感動がいっそう深まります。

この記事では、パネルや冊子、ステージの掲示、ページ上の紹介など、お名前を載せる場面を例に、準備の順番を整理します。決めることを先に並べておけば、公開中も終了後も、慌てずに進められます。

お名前を載せる形を、先に選ぶ

一口に「お名前掲載」といっても、載せる場所によって準備の中身が変わります。最初に、どの形にするかを選びます。

載せる場所向いている企画準備で大切なこと
完成したものに刻む・貼るステージ、お店、教室など場所をつくる企画制作の締め切りより前に表記を確定する
冊子・パンフレット・CDのブックレット作品や記録をまとめる企画印刷に入る日から逆算して集める
パネル・掲示板お披露目の場や会場に飾る企画文字の大きさと並べ方、更新のしかた
ウェブページ・活動報告公開後も見てもらいたい企画載せてよいか、ニックネームでもよいかを確認する
映像のエンドロール動画・映像の企画表示時間に収まる人数と並べ順

形が決まると、「いつまでに表記を集めるか」「何文字まで載せられるか」が自然に決まります。たとえば、ステージのような場所をつくる企画なら、完成の時期に合わせて、お名前を集める日を逆算します。伊豆山の野外ステージは、2023年のクラウドファンディングで173人から1,000万円以上の支援をいただきました。これだけ多くの方の応援を形にする企画では、お名前の扱いも、公開の前に決めておく項目になります。

載せたい人だけが選べる形にする

お名前の掲載は、すべての支援者が望むとは限りません。「応援したいけれど、名前は出さなくていい」という方も大勢います。そこで、掲載は希望した方だけにするのが基本です。リターンの説明には、次の点をはっきり書きます。

  • お名前を載せる場所(例:完成したパネル、冊子の最後のページ)
  • 載せる条件(例:対象のコースを選んだ方)
  • 載せない選択ができること
  • 表記を確認する時期と、連絡の方法

とくに「載せない選択ができる」と書いておくと、安心して支援できる人が増えます。お名前は、その人の大切な情報です。本人が選べる形にしておくことが、最初の心づかいになります。

表記を確認する四つの質問

お名前の表記は、本人にしか分かりません。漢字の字体や読み、団体名の正式な書き方など、思い込みで進めるとずれが出ます。支援のあとに送る確認の連絡では、次の四つを聞くと、必要な情報がそろいます。

  1. 載せたいお名前の書き方。本名、ニックネーム、団体名、「家族一同」など、希望の形を自由に書いてもらいます。
  2. 漢字や読みの確認。珍しい字体や旧字体を使う方もいます。見本を書いてもらうか、読みを添えてもらいます。
  3. 載せる場所の希望。複数の掲載先がある場合は、どこに載せたいかを選んでもらいます。
  4. 載せない場合の返事。「掲載なしで大丈夫です」という返事も、そのまま受け取れるようにしておきます。

この四つを、一通のメッセージにまとめて送ります。質問がばらばらに届くと、答える側が疲れてしまいます。返事の欄を番号で並べておくと、書きやすくなります。

確認の連絡文の例

文面は短く、お礼から始めます。

このたびは、ご支援をありがとうございます。お名前を完成したパネルに載せる企画です。載せたいお名前の書き方(ニックネーム可)、漢字や読みの確認、掲載なしのご希望の有無を、ご返信でお知らせください。お返事の締め切りは○月○日です。

「○月○日」の部分は、自分たちの制作の予定から決めます。締め切りの日付が分かると、返事をする人も、予定を立てやすくなります。

締め切りは「制作の締め切りの前」に置く

お名前を集める締め切りは、制作や印刷に入る日よりも前に置きます。ここで余裕をもたせておくと、あとの作業がとても楽になります。準備の目安として、次のような順番で日付を並べてみてください。

順番やること日付の決め方
1確認の連絡を送る支援を受けたあと、なるべく早く
2返事の締め切り制作・印刷に入る日の、少なくとも数週間前
3未返信の方へのお知らせ締め切りの数日前に、もう一度連絡する
4一覧の最終確認制作に渡す前に、担当者二人で読み合わせる
5制作・印刷確認が終わった一覧だけを渡す

締め切りまでに返事がない方には、あらかじめ決めた扱いを伝えておきます。たとえば「ご返事がない場合は、支援のときにご登録いただいたお名前で掲載します」あるいは「ご返事がない場合は、掲載なしとします」のどちらかです。どちらにするかは、企画の考え方で決めます。大切なのは、最初の連絡に書いておくことです。あとから決めると、迷いが生まれます。

一覧づくりと読み合わせのやり方

返事が届いたら、一つの一覧にまとめます。表計算の表で十分です。列は次のようにそろえます。

  • 受付番号(支援の順など)
  • 掲載するお名前(本人が希望した書き方)
  • 読み(ふりがな)
  • 掲載の場所
  • 確認の状態(確認済み・返信待ち・掲載なし)

完成した一覧は、制作に渡す前に二人で読み合わせます。一人が読み上げ、もう一人が元の返事と照らします。人数が多い企画でも、この方法なら誤りに気づきやすくなります。一人で見ると、同じ思い込みのまま見落とすことがあるからです。

読み合わせでは、次の点を重点的に見ます。

  1. 同じお名前の重複がないか
  2. 字体や記号が返事のとおりか
  3. 掲載なしの方が混ざっていないか
  4. 並べ順が、決めたルールどおりか(支援の順、五十音順など)

並べ順と見せ方を決める

お名前が多いときは、並べ方にも気を配ります。よく使われる並べ方には、次のようなものがあります。

並べ方よいところ気をつけたいこと
五十音順探しやすく、公平な印象になる読みの確認が必要
支援の順早く応援してくれた方への感謝を示せる順番の説明を添える
コースごとコースの名前と一緒に見せられるコースの見出しの文言をそろえる
順番をつけず並べる全員が同じ扱いに見える見た目がまとまるよう余白を整える

どの並べ方でも、冒頭に「ご支援ありがとうございました」と添えるだけで、一覧がお礼の場に変わります。肩書きや金額の大小で文字の大きさを変えるかどうかは、先に決めておきます。迷ったら、全員を同じ大きさで並べる形が、シンプルで感じのよい見せ方になります。

掲載したことを、本人に伝える

お名前を載せたら、載せたことを本人に伝えると、喜びが何倍にもなります。完成した場所の写真や、冊子のお名前のページを、活動報告に添えます。ウェブページに載せた場合は、そのページの案内を送ります。実際に会場へ来られる方には、お披露目の場でお名前を見つけてもらう時間をつくるのもよい方法です。

遠くに住んでいて来られない方には、お名前が載った部分の写真を送ると、とても喜ばれます。完成の報告は、お名前の掲載をいちばんの見せ場にして書くことができます。

公開前に決めておくチェックリスト

最後に、公開前に決めておきたい項目をまとめます。印刷して、打ち合わせの場で埋めていくと便利です。

  • お名前を載せる場所と、その数
  • 載せる条件と、載せない選択の有無
  • 表記を確認する連絡の文面
  • 返事の締め切りと、返事がない場合の扱い
  • 一覧の作り方と、読み合わせの担当者
  • 並べ順と、文字の大きさのルール
  • 掲載後に本人へ伝える方法

クラウドファンディングの準備は、公開したい日の90日前から始めるのが目安です。お名前の掲載を企画に入れるなら、その90日の中で、リターンの設計のときに一緒に考えておくと、公開中の負担が軽くなります。

株式会社エートゥーナンバーレコードが運営するクラウドファンディング支援では、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つで、準備を一緒に進めています。お名前の掲載をどう組み込むか、どんなリターンと組み合わせるかも、ご相談の中で一緒に考えられます。気になることがあれば、crowdfunding-support.net のお問い合わせフォームやLINEからご連絡ください。

よくある質問

支援者全員のお名前を載せなければいけませんか。

載せたい方だけが選べる形がおすすめです。掲載の条件や、載せない選択ができることを、リターンの説明に書いておくと安心して支援してもらえます。

ニックネームで載せてもよいですか。

本人の希望であれば、ニックネームや団体名で載せる形にできます。確認の連絡で、希望の書き方を自由に書いてもらいましょう。

お名前の確認は、いつ送ればよいですか。

支援を受けたあと、なるべく早く送るのがおすすめです。返事の締め切りは、制作や印刷に入る日の数週間前に置くと、余裕をもって進められます。

返事がない方のお名前はどうしますか。

最初の連絡に、返事がない場合の扱いを書いておきます。登録のお名前で載せるか、掲載なしとするかは、企画の考え方で決めます。