文章づくり
クラウドファンディングの文章が書けないとき 質問に答えて自分の言葉で下書きをつくる
書こうとすると手が止まるのは、書く力の問題ではなく、問いが大きすぎるからです。小さな質問に答えるだけで、自分の言葉の下書きができます。
クラウドファンディングのページを前に、文章が一行も進まない。そんなときは、「ページを書こう」とするのをやめて、七つの小さな質問に口で答えてみてください。答えを書き起こして並べ替えると、自分の言葉による下書きができあがります。結論から言うと、文章力よりも、質問の立て方と答えを残す習慣が大切です。この記事では、七つの質問、答えの記録の仕方、下書きにまとめる手順、直し方を具体的に紹介します。
書けなくなる原因は「問いが大きい」こと
「プロジェクトの想いを書いてください」という問いは、答えるには大きすぎます。何から話せばいいか分からず、立派な文章にしなければと力が入り、手が止まります。反対に、「そのお店を始めようと思った日のことを、一つだけ思い出してください」という問いなら、すぐに場面が浮かびます。
ページに載る文章の中心は、起案者本人の言葉です。クラウドファンディング支援では、代行ではなく伴走を大切にしています。起案者が自分の言葉で語れるよう、質問を投げかけながら一緒に文章をつくっていく進め方です。ここでは、その考え方を、一人でも試せる形に直しました。
下書きをつくる七つの質問
次の七つに、思いつくまま答えてください。きれいな文章にする必要はありません。声に出して話し、スマートフォンの録音やメモに残すと、堅くならずに進みます。
| 番号 | 質問 | ページのどこに使うか |
|---|---|---|
| 1 | このプロジェクトを思いついたきっかけの場面は? | 冒頭・導入 |
| 2 | 今、何に困っている(何が足りない)? | 課題の説明 |
| 3 | それが実現すると、誰がどう変わる? | プロジェクトの目指す姿 |
| 4 | 支援金は何に使う? | 資金の使い道 |
| 5 | 自分(団体)がやる理由は? | 起案者の紹介 |
| 6 | 支援してくれた人に、何を届けたい? | リターンの案内 |
| 7 | 最後に、読んでくれた人に一言伝えるなら? | 結びの呼びかけ |
七つの質問は、そのままページの流れになっています。つまり、答えを順番に並べるだけで、構成のできあがった下書きになります。
答えが出ないときの書き出しの型
質問を読んでも言葉が出ないときは、次の書き出しに続けてみてください。空欄にご自身の内容を入れるだけで、一文目ができます。
| 質問 | 書き出しの型 |
|---|---|
| 1 きっかけ | 「(時期)に、(場所)で(できごと)があり、このプロジェクトを思いつきました。」 |
| 2 困りごと | 「今は(状況)のため、(できないこと)が難しい状態です。」 |
| 3 変わること | 「実現すると、(誰)が(どうなる)ようになります。」 |
| 4 使い道 | 「いただいた支援は、(項目)と(項目)に使います。」 |
| 5 やる理由 | 「私たちは(経験や活動)を続けてきたので、この挑戦に取り組みたいと考えました。」 |
| 6 届けたいもの | 「支援してくださった方には、(リターン)をお届けします。」 |
| 7 結び | 「(期間)まで、あなたの応援をお待ちしています。」 |
型の空欄が埋まらない質問は、まだ考えが整理されていない部分です。そこが見つかること自体が、準備を進める手がかりになります。空欄のまま次の質問に進み、最後に戻って埋めても構いません。七つ全部が埋まったら、型の「です・ます」を残したまま、前後に一文ずつ足して段落にします。
答えを残すときの三つのコツ
一問につき、まず一つの場面を答える
「いつ」「どこで」「誰と」を入れて答えると、具体的な文章になります。たとえば質問1に「地域のために」と答えるより、「祭りの片づけをしながら、広場がもっとあればと話した」のように、場面を一つ入れます。これはあくまで書き方の例で、ご自身の実際のできごとに置き換えて使ってください。
数字や固有名詞は、あとで確認できる形で残す
金額、日付、人数、場所の名前は、答えの段階で目安のまま書き留めて構いません。ただし、ページに載せる前に必ず資料と照らして直します。
言い直しを歓迎する
二回目の答えのほうが、短くて的確になることがよくあります。同じ質問に日を変えてもう一度答え、気に入ったほうを残します。
下書きにまとめる四つの手順
- 録音やメモを書き起こし、七つの質問ごとに並べる
- 各答えから、いちばん心に残る一文に印をつける
- 印をつけた一文を軸に、前後を短い文でつなぐ
- 全体を声に出して読み、息が続かない長い文を二つに分ける
書き起こしの段階で、話し言葉をそのまま残すのがポイントです。「〜なんですよね」「実は〜」のような話し言葉は、読み手に親しみを伝えます。ページにするときに「です・ます」にそろえれば、堅すぎず読みやすい文章になります。
下書きの直し方:三つの視点で見る
下書きができたら、次の三つの視点で読み直します。
| 視点 | 見るところ | 直し方の例 |
|---|---|---|
| 読み手 | 初めて見る人にも、専門用語なしで分かるか | 用語は一言の説明を添える、または言い換える |
| 具体さ | 「大切」「素敵」などの言葉だけで終わっていないか | どんな場面でそう感じたのかを一文足す |
| 行動 | 読んだ人が何をすればよいか分かるか | 結びに、支援の方法と期間を明記する |
直すときは、足すより削るほうを先に考えます。同じ内容の繰り返しや、前置きの長いあいさつは、読み手の集中を途切れさせます。結論や想いの核を先に置き、背景はそのあとに続けると、スマートフォンでも読み切られやすくなります。
仕上がりの確認:音読と見出しだけ読み
下書きがまとまったら、二つの確認をします。一つ目は音読です。声に出して読み、つかえた箇所や息が続かない箇所に印をつけ、そこを短く切ります。二つ目は、見出しだけを順に読むことです。見出しだけで「何に困り、何を目指し、何をお願いしているか」が伝わるなら、流れは整っています。伝わらないときは、見出しの言葉を具体的に直します。たとえば「私たちの想い」より、「広場をもう一度、みんなの舞台にしたい」のように、内容が見える見出しにします。これも書き方の例ですので、ご自身の言葉に置き換えてください。
一人で進めにくいときは、聞き役を頼む
自分の想いは、近すぎて言葉にしにくいものです。そんなときは、家族や仲間に聞き役になってもらい、七つの質問を順番に尋ねてもらいます。聞き役は、答えをさえぎらず、「それはどうしてですか」「もう少し教えてください」と促すことに徹します。話し終えたあとに、聞き役が「いちばん印象に残った言葉」を伝えると、下書きの軸が見つかります。
聞き役を立てる場合は、こんな頼み方が進めやすいです。
- 所要時間は30分ほどと先に伝える
- 録音してよいか、先に了承を得る
- 感想やアドバイスは、答えが終わってからにしてもらう
文章づくりを伴走で進めたいとき
クラウドファンディング支援には、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つの手伝いがあります。物語の部分では、起案者が自分の言葉で語れるよう、質問を重ねながら一緒に文章をつくります。ページの公開と支援金の受け取りは、起案者ご本人(団体)の名義で進みます。
準備は、公開したい日の90日前から始めるのが目安です。下書きの段階からでも、お気軽にご相談ください。
クラウドファンディング支援のトップページから、お問い合わせフォームまたはLINEで相談できます。