言葉の選び方

クラウドファンディングの言葉をやさしく言い換える:初めての人にも伝わるページへ

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

読み手の多くは、クラウドファンディングが初めてです。ページで使う言葉をやさしく言い換えて、迷わず支援まで進める道をつくりましょう。

結論から言うと、クラウドファンディングのページでは、「リターン」「起案者」「支援金」といった言葉を、初めて読む人が自分の言葉で説明できる形に言い換えるのが効果的です。ページを開いた人は、挑戦の中身を知りたくて訪れています。仕組みの用語は、その邪魔をしないよう、そっと添える程度がちょうどよいのです。言葉の壁を一枚取り除くだけで、最後まで読み進めやすいページになります。

活動している本人にとっては、日常の言葉でも、初めて読む人には分からない言葉がたくさんあります。音楽なら「ミックス」「リハ」、舞台なら「仕込み」「ゲネプロ」、まちづくりなら「関係人口」「共創」。仕組みの用語と、活動の専門用語の両方に注意が必要です。この記事では、言い換えの表、専門用語の見つけ方、書き直しの手順を順に紹介します。

なぜ言葉の壁が支援をさまたげるのか

ページを読む人は、短い時間で「自分に関係があるか」「信頼できるか」を判断しています。分からない言葉に出会うと、次の三つのうちのどれかが起きます。

  • 意味を推測して読み進め、誤解したまま判断する。
  • 調べるのが面倒で、読むのをやめる。
  • 「自分向けではない」と感じて、ページを閉じる。

どの場合も、挑戦の魅力が伝わる前に離れてしまうのは、もったいないことです。やさしい言葉で書くと、内容はむしろ深まります。考えがはっきりしていないと、やさしい言葉で説明できません。言い換えの作業は、企画の理解を深める作業でもあります。

仕組みの言葉の言い換え表

クラウドファンディング特有の言葉は、次のように言い換えるか、初出のときに説明を添えると親切です。

よく使う言葉やさしい言い換えの例
起案者この挑戦をするわたしたち/企画した人
支援応援/挑戦に参加すること
支援者応援してくださる方/仲間
リターンお礼の品・体験/感謝のしるしとしてお届けするもの
目標金額実現のために必要な金額
達成目標の金額に届いた
募集期間応援を受け付ける期間
活動報告進み具合のお知らせ

すべてを言い換える必要はありません。サービスの画面に表示される言葉は、そのまま使ったほうが、読み手が迷わない場合もあります。たとえば、支援のボタンに「支援する」と書いてあるのに、本文では「応援に参加する」だけで書くと、どこを押せばよいか分からなくなります。画面にある言葉は残し、初めて出てきたときだけ、短い説明を添えるのが安全です。

活動の専門用語を見つけるコツ

自分では気づきにくいのが、活動の専門用語です。次の三つの方法で、見つけ出してみましょう。

  1. 活動を知らない人に読んでもらう。意味が分からなかった言葉に、線を引いてもらいます。
  2. 活動の仲間内でしか使わない言葉に注目する。略語、愛称、現場の言い方は、外では通じません。
  3. カタカナの言葉を拾い出す。カタカナ語は、人によって知っている範囲が大きく違います。

見つけた言葉は、一覧にして、「そのまま使う」「言い換える」「説明を添える」の三つに分けます。迷ったら、「中学生に説明するとしたら」と想像してみてください。年齢を決めて想像すると、言葉の選び方が自然にやさしくなります。

言い換えの三つの方法

言い換えの方法は複数あります。場面に合わせて、三つから選びます。

方法やり方例
別の言葉にする同じ意味の、分かりやすい言葉に置き換える「リハ」を「本番前の練習」にする
説明を添える言葉を残し、かっこの中や次の一文で意味を示す「ゲネプロ(本番と同じ形で通して行う最後の練習)」
例で見せる言葉を使わず、具体的な場面で表す「関係人口」を「ふだんは別の町に住み、月に一度この町に来て手伝ってくれる人」と書く

活動の中心になる言葉は、説明を添えて残すのがおすすめです。言葉そのものに、活動の個性が表れているからです。逆に、ページの中で一度しか出てこない専門用語は、別の言葉にしてしまうほうが読みやすくなります。

音楽・舞台・教室の言葉の言い換え例

活動の分野ごとに、ページに出やすい言葉の言い換え例を挙げます。

分野言葉言い換えの例
音楽レコーディングスタジオで演奏や歌を録音すること
音楽音源録音した音楽のデータ(CDや配信用)
舞台仕込み本番に向けて、舞台の道具や照明を整える作業
舞台キャスト出演する人たち
教室・学びカリキュラム学ぶ内容と、進める順番
まちづくり地域資源その町ならではの景色、お店、人、行事

この表は一例です。自分の活動に合わせて、独自の一覧を作ってみてください。仲間と一緒に作ると、「それ、外の人には通じないよね」という気づきが、自然に出てきます。

書き直しの手順

ページ全体を、次の手順で書き直してみましょう。

  1. 声に出して読む。つかえた箇所、息が続かない長い文を探します。
  2. 一文を短くする。一文に伝えることは一つ。長い文は、二つに分けます。
  3. 言葉の一覧で確認する。先に作った一覧に沿って、言葉を置き換えます。
  4. 知らない人に読んでもらう。書き直したあと、もう一度、別の人に読んでもらいます。

書き直しは、一度で完成させようとせず、二、三回に分けて行うと、無理なく進みます。同じ人に何度も読んでもらうと慣れてしまうため、毎回、違う人に読んでもらうのがコツです。

書き直したページは、最後に、スマートフォンの小さな画面で見直します。パソコンでは読みやすくても、スマートフォンでは一文が長く感じられることがよくあります。画面の一行に収まる文字数は少ないので、一文は、できれば二行から三行に収めるつもりで整えましょう。長い文を二つに分けると、主語と述語の距離が縮まり、意味もすっと入ってきます。読点の位置を一つ変えるだけで、息継ぎがしやすくなり、声に出して読んだときの流れも良くなります。

やさしい言葉と、熱意の両立

「やさしく書く」と「熱く語る」は、両立できます。やさしい言葉でも、自分がなぜこの挑戦をしたいのかを、率直に書けば、熱意は十分に伝わります。むしろ、難しい言葉を並べたページより、飾らない言葉で語られたページのほうが、読む人の心に残ります。

伊豆山の野外ステージづくりの挑戦でも、173人もの方が応援してくださいました。完成したステージで、地域の子どもから大人までが出演するミュージカルを上演するという目標は、誰が聞いても思い描ける、分かりやすい言葉で語られていました。分かりやすさは、応援の輪を広げる力になります。

言葉の整理も、一緒に取り組めます

私たちは、プロジェクトの設計や物語づくり、リターンの設計、広報まで、挑戦する方の言葉を大切にしながら伴走しています。自分では気づきにくい専門用語の見つけ方や、言い換えの相談にも乗ります。ページの公開と支援金の受け取りは、起案者ご本人(団体)の名義で行います。

ページの言葉に迷ったら、まずは挑戦したいことと時期をお知らせください。トップページのお問い合わせフォームまたはLINEから、ご相談いただけます。

よくある質問

専門的な活動だと、言い換えると内容が浅くなりませんか?

言い換えても内容は変わりません。大事な専門用語は、短い説明を添えて残せば、詳しい人にも初めての人にも伝わります。

外国語やカタカナ語は、使わないほうがよいですか?

使っても構いません。初めて出てくるときに、意味を一言添えれば十分です。

どこまでやさしくすればよいか分かりません。

迷ったときは、中学生に説明する場面を想像してください。年齢を決めると、言葉の選び方が自然に決まります。