企画の見極め

クラウドファンディングに向く企画の見分け方:始める前の7つの問い

 文:CROWDFUNDING SUPPORT 編集部/監修:たーなー先生(田中直人)

向く企画かどうかは、7つの問いで確かめられます。始める前に、自分の挑戦がクラウドファンディングの形に合うかを見ていきましょう。

クラウドファンディングに向いているのは、「何をするのか」と「誰が、なぜするのか」を、初めて知る人にも一枚のページで伝えられる企画です。お金を集める手段として考えるのではなく、挑戦に共感してくれる人を増やす場として考えると、向き不向きが見えてきます。この記事では、始める前に確かめたい7つの問いと、答えを整理する表、合わないと感じたときの考え方を紹介します。

クラウドファンディング支援では、音楽のCD・ライブ、舞台、教育の新しい取り組み、地域のまちづくり、お店や宿の開業といった分野の挑戦を、相談から報告まで伴走しています。どの分野でも、最初に見るのは同じ7つの問いです。

向く企画に共通する3つの特徴

応援が集まる企画には、分野を問わず、次の三つが見られます。

  • 実現した姿が目に浮かぶ:完成した場面、開催の日、手に取る人の表情まで、読む人が想像できる。
  • やる人の顔が見える:誰が、どんな経緯で、何を続けてきたかが分かる。
  • 参加の入口が複数ある:金額や関わり方を選べ、気軽に応援できる。

これらは、才能や規模の大きさとは関係がありません。小さな企画でも、三つがそろえば、読む人の心に届きます。

始める前に確かめる7つの問い

  1. 何を実現するのか、一文で言えるか。説明に三文以上かかるときは、企画をもう少し絞ります。
  2. 実現する時期が決まっているか。「いつか」ではなく、実施や完成の時期が見えているかを確かめます。
  3. 必要な金額に、根拠があるか。項目ごとに見積りや計算の根拠があると、支援者は納得して応援できます。
  4. 最初に応援してくれる人の顔が浮かぶか。家族や仲間、常連の人など、最初に知らせたい人が思い浮かぶかを見ます。
  5. 公開中に発信を続けられるか。期間中は、写真や活動報告で伝え続ける時間が必要です。
  6. リターンを、約束通りに届けられるか。届ける時期と内容を、自分たちで責任を持って管理できる範囲に収めます。
  7. 終わったあとも、関係を続けたいか。支援者は、完成後の報告や招待も期待しています。

答えを判断の表にする

7つの問いの答えを、次の表に書き入れてみてください。「はい」が多いほど、準備が整っています。「まだ」の項目は、始める前に整える課題の一覧になります。

問いはいまだ「まだ」のときの動き
1 一文で言える○△企画を一枚の紙に整理し直す
2 時期が決まっている○△実施や完成の希望日を仮に置いて、逆算する
3 金額に根拠がある○△費用を項目ごとに書き出し、見積りを取る
4 最初の応援者が浮かぶ○△近い人から名前を書き出す
5 発信を続けられる○△投稿や報告の担当を、仲間と決める
6 リターンを届けられる○△届けられる範囲に、内容を絞る
7 関係を続けたい○△報告の予定を、先にカレンダーに入れる

「まだ」が多くても、挑戦をあきらめる必要はありません。準備の順番が見えたことが、この表の成果です。

合うか迷う企画の考え方

すでにお金が足りている企画

資金が自分たちで用意できる企画でも、「完成を一緒に見届けてくれる人を増やしたい」という目的があれば、クラウドファンディングは意味を持ちます。逆に、お金だけが目的のときは、ページで語る言葉が見つかりにくくなります。何のために応援を募るのかを、自分に問い直してみてください。

企画がまだ固まっていないとき

やりたいことが漠然としているときは、公開を急がず、企画の整理から始めます。相談の中で、挑戦したいことと時期を話すうちに、輪郭がはっきりしてくることも多くあります。

見せる材料が少ないとき

写真や映像が少なくても、準備の様子を記録していけば、公開までに材料はそろいます。公開したい日の90日前から準備を始めると、素材づくりの時間も確保できます。

今は合わないと感じたときの進め方

7つの問いに答えて、いまは始める時期ではないと感じることもあります。それは、挑戦をやめるという意味ではなく、準備の順番を見直す機会です。

  1. 小さく試す:まず仲間内でミニ発表会や試作を行い、反応を集めます。
  2. 発信を始める:公開の前から、活動の様子を投稿し続けます。見てくれる人が増えると、公開時の最初の応援者になります。
  3. 見積りを取る:必要な費用を調べ、目標金額の根拠を先に固めます。
  4. 時期を置き直す:本番や完成の希望日から逆算して、公開日を決め直します。

準備に時間をかけた挑戦ほど、ページの言葉に厚みが生まれます。焦らずに土台を整えた分は、公開中の発信の自信につながります。

分野ごとの「見せ場」を探す

向く企画かどうかは、その分野ならではの見せ場があるかでも確かめられます。次の表は、対応している分野ごとに、ページで伝えやすい見せ場の例をまとめたものです。自分の企画に近い行を見て、見せ場を一つ見つけてみてください。

分野伝えやすい見せ場用意しておきたい素材
音楽のCD・ライブ曲が生まれた場面、録音や本番の日試聴できる音、練習の写真
舞台本番で観客と過ごす時間、仲間との稽古稽古の映像、出演者の言葉
教育の新しい取り組み学ぶ人が体験する場面場所の写真、体験の様子
地域のまちづくり変わる景色、関わる人の広がり現在の場所の写真、完成のイメージ
お店や宿の開業最初のお客さんを迎える日、こだわりの空間内装や道具の写真、開業までの記録

見せ場が一つ決まれば、題名、冒頭の画像、動画の最初の場面まで、軸が通ります。軸が通ったページは、初めて読む人にも「何を応援するのか」が一度で伝わります。見せ場が見つからないときは、仲間や、これまで応援してくれた人に「どの場面が一番心に残っている?」と聞いてみてください。自分では気づかない魅力を、周りの人が教えてくれることがあります。

「実施の形」から、資金の集め方を選ぶ

掲載するサービスによっては、目標金額に届かなくても実行する形と、届いたときだけ実行する形から選べます。金額が少なくても始められる企画なら前者、一定の額がなければ実現できない企画なら後者が合います。どちらの形を選ぶにしても、集まった支援に責任を持って応える準備が大切です。

ページの公開と支援金の受け取りは、起案者本人(団体)の名義で行います。誰が起案者になるのかも、始める前に決めておきたい項目です。

向き不向きを、一緒に確かめる

クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計(目標・期間・見せ方)、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つで手伝います。ご相談、設計、準備、公開・伴走、報告の順に進み、料金はプロジェクトごとに相談のうえ見積りをお出しします。

伊豆山の野外ステージづくりでは、2023年10月13日から12月31日まで、173人から1,000万円以上の応援が集まりました。CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年では1位になりました。挑戦の大きさや分野が違っても、最初の7つの問いから、一緒に確かめていけます。

挑戦したいことと時期を、まずお聞かせください。

挑戦を相談する(クラウドファンディング支援)