支援者の整理
応援してくれる人を整理する:4つの輪で考える声かけの順番
応援のお願いは、闇雲に送るより、人の輪に分けて順番を決める方が伝わります。名前を書き出して整理する手順を紹介します。
クラウドファンディングで最初に声をかける相手は、「知っている人の中で、あなたの挑戦を一番近くで見てきた人」です。人数の多さより、その人にどんな言葉で、いつ知らせるかを決めておくことが、公開後の動きを左右します。この記事では、応援してくれそうな人を4つの輪に分けて名前を書き出し、声かけの順番と言葉を整理する方法を説明します。
支援者の整理は、公開したい日の90日前から始める準備の中でも、早い段階で取り組みたい作業です。名前を書き出しておくと、ページの文章や動画で「誰に向けて語るか」も定まります。
なぜ人の輪に分けて考えるのか
クラウドファンディングの支援は、ページを公開しただけで広がっていくものとは限りません。多くの場合、最初の支援は、起案者と直接の関係がある人から生まれます。その応援を見た人が次に参加し、さらに広がっていきます。だからこそ、最初の輪を丁寧に動かす準備が欠かせません。
もう一つの理由は、気持ちの負担を軽くすることです。「たくさんの人にお願いしなければ」と考えると、手が止まります。一人ずつの名前と関係を書き出せば、お願いの相手が具体的になり、「この人にはこの言葉で」と考えやすくなります。
4つの輪とそれぞれの特徴
| 輪 | どんな人 | 伝え方の基本 |
|---|---|---|
| 第1の輪 | 家族・チームの仲間・いつも応援してくれる人 | 公開前に個別に相談し、公開の瞬間に直接知らせる |
| 第2の輪 | 友人・団体のメンバー・常連のお客さん・活動の参加者 | 名前を添えた個別メッセージで知らせる |
| 第3の輪 | 同じ地域や分野で活動する人、取引先、SNSのつながり | 公開の投稿で知らせ、共有をお願いする |
| 第4の輪 | 活動を知らない人、ページを偶然見た人 | ページの冒頭と動画で伝わる工夫をする |
第1の輪と第2の輪は、公開後すぐに動きやすい層です。第3の輪は、共有してもらうことで広がります。第4の輪には、ページの内容そのものが説得力を持つよう、物語や写真の質を整えることが重要になります。
名前を書き出す手順
- 白い紙かスプレッドシートを用意し、思いつく人の名前を、評価せずにすべて書きます。10分で手を止めずに書くのがコツです。
- 名前の横に、関係(家族、仲間、常連、同じ地域の活動仲間など)を一言書きます。
- 4つの輪のどれに当たるかを、記号で記入します。迷った名前は、近い輪に入れます。
- 各人について、その人が「この挑戦の何に共感してくれそうか」を一行で書きます。
- 連絡の手段を決めます。電話、個別のメッセージ、メール、直接会う、のどれが自然かを選びます。
数に制限をかける必要はありません。ただし、お願いする人の「質」を保つため、第1の輪と第2の輪の人には、一人ずつ時間をかけて言葉を考えます。
声かけの順番と言葉の作り方
第1の輪:公開前に話しておく
一番近い人には、公開前に企画の内容を話し、意見をもらいます。相談された人は、自分も計画の一員だと感じ、公開の日を待ってくれるようになります。「公開したら、最初に知らせたいと思っている」と伝えておくと、当日の動きが早くなります。
第2の輪:名前を呼んで知らせる
友人や常連の人には、一斉送信ではなく、名前を添えた文面で知らせます。「いつも発表会に来てくれる田中さんに、最初に知らせたくて」のように、その人との場面を一つ入れると、受け取る側の気持ちが動きます。(名前は例です)
第3の輪:共有しやすい形で渡す
同じ分野で活動する人や取引先には、読む負担の少ない短い紹介文と、ページのリンクを渡します。投稿してもらうための画像や、そのまま使える文面を用意すると、共有のハードルが下がります。
第4の輪:ページが語るものに任せる
知らない人には、声かけではなく、ページの冒頭で自分のことを知ってもらいます。最初の画面で、誰が、何を、なぜするのかが分かれば、見知らぬ人でも応援しやすくなります。
整理表のひな形と、時期ごとの使い方
名前の書き出しが終わったら、次の列を持つ表にまとめます。一人の行が一目で分かると、公開日に迷わず動けます。
| 名前 | 輪 | 関係 | 共感しそうな点 | 連絡の手段 | 知らせる日 | お礼を伝えたか |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (例)A さん | 第1 | 活動の仲間 | 企画の準備を一緒に見てきた | 直接会って | 公開前に相談、公開日に連絡 | 公開後に記入 |
| (例)B さん | 第2 | 常連のお客さん | お店の雰囲気が好き | 個別メッセージ | 公開日のうち | 公開後に記入 |
| (例)C さん | 第3 | 同じ地域の活動仲間 | まちの動きに関心がある | メール | 公開日の翌日 | 公開後に記入 |
表は、期間ごとに使い方が変わります。公開前は、第1の輪と第2の輪への相談の記録として使います。公開日は、連絡の抜けがないかのチェック表になります。公開中は、お礼の返信が済んだかどうかを確かめる表に変わります。終了後は、報告を送る相手の一覧として残ります。
書き込む項目を増やしすぎると、続かなくなります。最初は「名前・輪・連絡の手段・知らせる日」の四つだけで始め、必要になったときに列を足してください。
気をつけたい関係の保ち方
- お願いを重ねすぎない:同じ人に何度も同じ文面を送らず、公開中の発信は活動報告など内容のある連絡にします。
- 支援しない選択も尊重する:見守ってくれるだけでも、大切な応援です。関係はそのまま続きます。
- お礼は支援の有無を問わず伝える:共有してくれた人、励ましてくれた人にも、同じ丁寧さで伝えます。
- 名簿は大切に扱う:整理した名前は、企画のためだけに使い、人に見せたり広めたりしません。
輪の外にも、橋をかけておく
第3の輪の人は、自分の知り合いにページを紹介してくれる「橋」になります。たとえば同じ地域で活動する人に、「あなたの周りで、この企画に関心を持ちそうな方がいたら、ページを見せてもらえませんか」と、ひと言添えて頼みます。具体的に誰かの名前を挙げてもらう必要はありません。紹介の依頼は、相手に宿題を渡す形にせず、「もし機会があれば」の気軽さで伝えるのがよい形です。紹介してくれた人には、公開中の活動報告を届け、広がりを一緒に見守ってもらいます。
公開中に反応をくれた人の名前は、リストに書き足していきます。終了後の報告や次の企画で、再び知らせたい相手になるからです。
整理した名前を、挑戦の準備に生かす
名前の表ができると、ページの言葉も選びやすくなります。第1の輪に向けた感謝の言葉、第3の輪に向けた分かりやすい説明など、読む人の顔を思い浮かべて書けるからです。
クラウドファンディング支援は、プロジェクト設計、物語と動画・音楽、リターン設計、広報と伴走の四つで手伝います。代行ではなく伴走なので、誰にどう伝えるかも、起案者の言葉で決められるよう一緒に整理します。伊豆山の野外ステージづくりでは、173人から1,000万円以上の応援が集まり、CAMPFIRE 静岡県まちづくりランキング2023年で1位になりました。応援の輪は、一人ひとりへの声かけの積み重ねから広がります。
書き出した名前の表を持って、挑戦したいことと時期をお聞かせください。輪の分け方や、声かけの順番を一緒に見ていきます。