リターン設計
リターンの説明文の書き方:名前・中身・届く時期・数量を四点でそろえる
リターンの説明文は、四つの点がそろっているだけで読みやすくなります。書く順番と、そのまま使える型を紹介します。
リターンの説明文は、「名前」「中身」「届く時期」「数量」の四点をこの順にそろえて書くと、支援者が迷わず選べるようになります。文章のうまさよりも、四つの点が毎回同じ位置に並んでいることが大切です。この記事では、四点それぞれの書き方と、そのまま使える型、書き終えたあとの確認表を順に紹介します。
リターンの説明文で読み手が探しているもの
支援ボタンを押す前の人は、リターンの一覧を上から順に目で追っています。じっくり読むというより、「自分は何をもらえるのか」「いつ届くのか」を拾い読みしている状態です。そのため、説明文の中に探している情報が見つからないと、その場で迷いが生まれます。
逆に、どのリターンも同じ形で書かれていれば、拾い読みでも内容が頭に入ります。一つ目のリターンで型を覚えた読み手は、二つ目以降を読むスピードが上がります。型をそろえることは、読み手の負担を減らす思いやりでもあります。
起案者の側にとっても、四点が決まっていると準備が進みます。「届く時期がまだ決まっていない」「数量を考えていなかった」という抜けが、書く段階で見つかるからです。説明文を書く作業は、リターンの設計を最後に点検する作業でもあります。
四つの点の書き方
一つ目:名前
名前は、一覧の中で最初に目に入る言葉です。中身がひと言で想像できる名前にします。「Aコース」「特別プラン」のような記号に近い名前よりも、「完成したステージでの記念撮影券」「お名前入りのお礼の手紙」のように、もらうものが見える名前のほうが選びやすくなります。
二つ目:中身
中身は、何がいくつ、どんな形で届くのかを具体的に書きます。体験型なら、場所・所要時間・参加の人数感を書きます。品物なら、大きさや内容を書きます。写真が使えるときは、説明文の近くに置くと、文章で説明する量が減ります。
三つ目:届く時期
届く時期は「何月ごろ」と月で書き、体験型は日程の幅を書きます。決まっていない部分があるときは、いつ決まるのかを書き添えます。たとえば「日程は公開終了後に活動報告でお知らせします」と書くと、支援者は次に何を待てばよいかが分かります。
四つ目:数量
数量は、「限定」と書くだけでなく、いくつまで受けられるのかを数字で書きます。届けられる数から逆算して決めた数量であれば、支援者にも安心して伝えられます。数量に上限がないリターンは「数に限りはありません」と書いておくと、迷いが減ります。
そのまま使える型と書き方の例
四点を一つの流れにした型は、次のとおりです。かぎかっこの中を自分の企画の言葉に置き換えて使います。
- 名前:「(もらうものがひと言で分かる名前)」
- 中身:「(何を、どんな形で、どれくらい)お届けします。」
- 届く時期:「(月)ごろにお届けします。」または「(月)ごろの開催を予定しています。」
- 数量:「(数)名さままで。」
たとえば、お礼の手紙のリターンなら、次のように書けます。
- 名前:お名前入りのお礼の手紙
- 中身:起案者の直筆で、支援へのお礼をつづった手紙を一通お届けします。
- 届く時期:公開終了の翌月ごろにお届けします。
- 数量:数に限りはありません。
体験型のリターンなら、場所と時間が加わります。
- 名前:完成した会場の見学会へのご招待
- 中身:できあがった会場を、起案者と一緒に歩いて回ります。所要時間は一時間ほどの予定です。
- 届く時期:完成後に日程をお知らせし、参加できる日をお選びいただきます。
- 数量:二十名さままで。
こうして並べると、書く量は短くても、必要な点がすべて入っていることが分かります。説明文は長くすることよりも、同じ位置に同じ種類の情報を置くことを優先します。
リターンの種類ごとに、足したい一言
四点に加えて、リターンの種類によって一言足すと、さらに読みやすくなります。
| リターンの種類 | 足したい一言 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| お礼のメッセージ・手紙 | 誰が書くか | 起案者本人が書きます |
| 体験型(見学・参加) | 集合場所と持ち物 | 当日の集合場所は前日までにご連絡します |
| 地域の品 | どんな品か、送り先の範囲 | 地元のお店の品を詰め合わせます |
| お名前の掲載 | 載せる場所と、載せない選び方 | 掲載を希望しない場合はお知らせください |
| オンラインでの交流 | 日時の決め方 | 参加しやすい時間帯を支援者に聞いて決めます |
地域の品をリターンに加える考え方は、「地域のお店や団体に協力してもらう」の記事も参考になります。体験型の当日の進め方は、「体験型リターンの当日の進め方」で詳しく紹介しています。
書き終えたあとの確認表
書いた説明文は、次の表で一つずつ確かめます。声に出して読んでみると、抜けに気づきやすくなります。
| 確認すること | 見直しのヒント |
|---|---|
| 名前だけで中身が想像できるか | 記号のような名前は、もらうものの言葉に直す |
| 中身に、量・大きさ・時間が書いてあるか | 「いくつ」「どれくらい」に答えられるか見る |
| 届く時期が月で書いてあるか | 未定の部分は、いつ決まるかを書き添える |
| 数量が数字で書いてあるか | 上限がないものは、その旨を書く |
| 全部のリターンで四点の順番が同じか | 並べて見て、ずれているものを直す |
| 一覧の金額順に並んでいるか | 金額の低い順に並べると読みやすい |
家族や友人にページを見てもらい、「どれを選びますか」と聞いてみるのも有効です。選べない理由を聞くと、足りない点が分かります。公開前に第三者に読んでもらう進め方は、「ページを読んでもらって磨く」の記事で紹介しています。
書きながら迷ったときの考え方
四点を書いていて迷うのは、たいてい「届く時期」と「数量」です。ここで止まったときは、リターンの設計に戻るサインです。
届く時期が決められないときは、準備に必要な作業を書き出してみます。作る、梱包する、送る、という工程を並べて、それぞれにかかる日数を見積もると、おおよその月が見えてきます。見積りに自信がないときは、ひと月ゆとりを持たせて書きます。早く届く分には、支援者は喜んでくれます。
数量が決められないときは、一人で準備できる量を基準にします。公開中に仕事や家事と両立しながら、どれだけ届けられるかを考えると、無理のない数が出ます。数量を絞ることは、一つひとつのリターンを丁寧に届けるための決め方です。
名前が決まらないときは、支援者になった自分が受け取ったときに、周りの人へ何と説明するかを想像します。「あの会場の見学会に招待されたんだ」と言える名前なら、そのまま使えます。
相談してみませんか
crowdfunding-support.net は、地域の団体、お店、音楽や舞台のつくり手に向けて、クラウドファンディングの準備から公開中の発信、終了後の報告までを伴走する支援です。リターン設計は四つの手伝いの一つで、体験や地域の品など、企画に合ったリターンを一緒に考えます。伊豆山の野外ステージでは、2023年のクラウドファンディングで173人から1,000万円以上の支援が集まりました。リターンの説明文を書く段階で迷ったときも、気軽に声をかけてください。
相談はお問い合わせフォームかLINEから、オンラインで全国から受け付けています。crowdfunding-support.net のトップページから、挑戦したいことと時期をお知らせください。
よくある質問
リターンの説明文は、どれくらいの長さで書けばよいですか。
四点が入っていれば、数行で十分です。長くするよりも、全部のリターンで同じ順番にそろえることを優先してください。
届く時期がまだ決まっていないときは、どう書けばよいですか。
「何月ごろ」と見込みの月を書き、変わるときは活動報告でお知らせすると添えます。いつ決まるかを書き添えると、支援者は待ちやすくなります。
数量に上限をつけないリターンは、どう書けばよいですか。
「数に限りはありません」と書きます。上限がある場合は、数字を書いておくと、選ぶ人が早く決められます。